人を頼ること、人に助けを求めることが苦手な人へ | 音楽家のためのアレクサンダー・テクニークレッスン〜フルート奏者嶋村順子

音楽家のためのアレクサンダー・テクニークレッスン〜フルート奏者嶋村順子

♪アレクサンダー・テクニークを演奏に生かすレッスン♪
~ココロを自由に、カラダも自由に、自分らしく生き、演奏する~
アレクサンダー・テクニーク教師&フルート奏者の嶋村順子です。
演奏者の心理的・身体的問題を解決する方法を探求しています。

今日は、ちょこっと自分についてメンタル寄りの話をします。

 

ピンチの時や不安な時に人に頼ることを選ばず、ひとりで解決しようと頑張ってしまう。
そんな方達に向けてお話ししたいと思います。


以前の私もそうだったのですが、不思議とこれしか選択肢が浮かばない。
自分で出来ることは最後まで自分でやろうとする気持ち、人に迷惑をかけたくないという気持ち、
これらはとっても自立した考えだと思うのですが、極端すぎるとどこかで限界がきます。


昔の自分を思い返すと、限界を認識することなく頑張るか、もともと無理だったと諦めるかの2択。
なんだか、狭い自分の頭の中の発想の範囲でしか考えられなかったなぁと思い出します。
必死なんですけどね、なんとか突破したいとは思うんですけどね。

人を頼る発想がない。さっぱり頭に浮かばなかった。

軽めの困難ではあまりそうならないのです。
小さなピンチの時は人に相談もできたりします。

ところが、本当に心底困った時に「人に頼る」という発想が出てこないんですよね。(当時の私は)
 

交流分析などの心理分析や、トラウマ解放療法、アレクサンダー・テクニークなど
ソマティック「心身統合」「行動選択」のワークを学んだ今は、
困った時や不安な時の自分の本音を認識し、誰かに助けを求めることができるようになってきました。
(ソマティックなワークを学ぶとなぜ変わるかが興味深いところなのです)

 

「人に頼る」「人に助けを求める」

これが苦手だった私は、人生における最も困難な時期にいつも一人で頑張りました。(アドレナリン出しまくりです笑)

演奏の不調で悩んでいる時も、同じ選択をしていました。

レッスンを受ける、誰かに相談する、なんて発想は無し。

もともとの思考のくせのまま孤軍奮闘し、ちっとも解決できないと次第に諦める方向に。

どうして人を頼りにできないのかな、と当時は考えたこともなかったのですが、
その後、心理学を学んで自己分析が進んだらわかりました。

「人をあてにしてはいけない」という信念が根底にあったんです。
頼りにできないんじゃないんですね、人をあてにしちゃいけないルールに縛られていたんです。

 

その背景は、機能不全家庭の養育歴にありますが、
おそらく幼い心の中で、何が自分の心の平穏に役に立つのかを経験的に見つけ出したのでしょう。

人を頼ることにはメリットもあるのに、リスクの方を重要視するという無意識の判断ですね。
無為に傷つくことを警戒していたのだと思います。

もうこの世にはいませんが、私の母は長く精神病を患い、とても情緒不安定な人でした。

(家庭内では、それはそれは色々な事件がありましたよ)
母は基本我が子には過干渉で溺愛でしたが(それも困る)、症状が悪い時は真逆になります。

この一貫性の無さが子供(わたし)の警戒心を育ててしまったんだと思います。


親をあてにしたら悲しい思いをする。
頼れる人だと信じたら後で辛い思いが待っている。
子供がこんな経験を繰り返したら、心を閉ざして孤軍奮闘した方がマシだと思ってしまう。


本心を今ここから遠ざけて、身体の感覚を鈍らせて、なんとか乗り切る。
解離や不動化(フリーズ、凍りつき)、無意識の習慣パターンの出来上がり。

そんなことを続けてきたんだなぁ、これは大変だわ、

と今ならわかります、はい。

 

当時の自分に理解が及ぶと、今ここの自分の心の動きがわかるようになり、
自分と出会いなおして、本心に耳を傾け始めました。

 

アレクサンダーテクニークとソマティックエクスペリエンシング®️を学んだおかげで、

身体感覚から心理的衝動の変化の兆しを掴むことが上手になりました。(ここ大事なとこ)


周囲への警戒心を解いても不安ではなくなって、
ようやく人に助けを求めることができるようになりました。(これは練習も必要でした)

ここ10年はそんな自分の変化を心と身体でたどりながら、引き続き自己理解を深めているところです。

 

人を頼れない、いつも孤軍奮闘する人がいたら伝えたい。

 

心と身体を動かしましょう。
最初は不安だけれど、動かしましょう。

自ら動くことで世界が変わる。

1ミリ動けば何かが動き出す。
 

1ミリも動けない理由が無意識下にあるとしたら、なんらかのトラウマの影響です。

頭で分かっていても身体が動かない、何かが自分をそこにとどめてしまうなら、
それは意思ではなく身体の反応パターンに振り回されているのかもしれない。

 

哺乳動物の安心安全は他者との繋がりで得られるそうです。

人と繋がることに気持ちが動けたら、状況は変化する可能性がある。
人と繋がることを選択できない理由を、もっと別の観点から探る方法もあります。


まずは、とことん自分の心の声を聞くことから。
自分の身体からやってくる情報をキャッチすることから。

私はそうやって変化してきました。

以前よりずっとラクで楽しい人生になった私です。
これからは誰かの助けになれたら嬉しいです。

カウンセリングセッション、やっております。

 

 

 

(秋の森。キノコと苔たちが寄り添う世界。)

 

 

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嶋村順子
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