「右手に力が入ってしまいます」(フルート初心者の方) | 音楽家のためのアレクサンダー・テクニークレッスン〜フルート奏者嶋村順子

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♪アレクサンダー・テクニークを演奏に生かすレッスン♪
~ココロを自由に、カラダも自由に、自分らしく生き、演奏する~
アレクサンダー・テクニーク教師&フルート奏者の嶋村順子です。
演奏者の心理的・身体的問題を解決する方法を探求しています。

読者の方からのご質問です。

~読者さんの質問~

悩みがあります。右手で楽器をつかんでしまうのです。
そして、ひとさし指・中指・薬指の3本が左に倒れ気味になります。
具体的には、今練習している中で「中音域のラシドレミ」が出てくる所で右手に力が入ります。
そして、左肩が疲れます。お人形で言う付け根のところです。

ブログにあったように、左の手を足部管に向け、管を支えてみるけれど、
それだけでは、歌口1/3がふさがらないので、押しつけてしまう。それで左肩が痛くなります。
いつも左親指の腹でキーを押さえ気味なので、親指関節あたりに直したり。

いろいろやっているうちに、今度は手首が痛くなるんです・・・涙。
リッププレートの当て方が違うのかな、と悩みだすと、
両手のポジション全てが狂ってきて困っています。



~私からのアドバイス~

これは、中音のドが絡む指使いになると、右手に力が入るという事でしょうか?
ほかに右手に力が入る時の条件で分かることがあったら教えてください。

それから、人差し指、中指、薬指の3本が左に倒れる理由は、親指の位置も関係しています。
いまの親指の位置を教えてください。
親指の位置が、右に寄ればよるほど、つまり小指側に近づけば近づくほど、
その3本は左に倒れたくなります。
逆に、親指を左、つまり他の4本から離れていく方向に移動すれば、
他の4本には独立した動きやすさが加わります。(離れすぎも動きを阻害しますが)

これらを参考に、右手の指に力が入りにくい親指の位置を探ってみてください。

でも、いずれはその親指が楽器を支える仕事の負担を軽くすることにも挑戦して欲しいのです。
実は、私は右手の親指ではあまり楽器の重さを支えていません。
試しに親指を楽器から離してみても指を動かせて、曲が吹けます。全部ではないですけれど。
なので、親指の位置はほとんど意識していません。時によりあちこち動いています。
そのために、楽器は左手の人差し指の付け根に完全に乗っているようにしています。

あなたの右手はどんな感じか、また教えてくださいね。
右手に力が入って掴んでしまう状況をもう少し詳しく教えていただいてから、
アドバイスをしたいと思います!
人間の親指ってとっても面白いんですよ。
それと、実際に見ていないのでわかりませんが、
「左肩が疲れる」原因は左肩で楽器を持ち上げているからかもしれません。

フルートを構えた時に左手(左腕)にかかる重さは、
実は肩まで動員しなくても大丈夫な程度なのですが、
初めて横笛という不安定な楽器を持つと、「持ち上げよう」という気持ちが強くて、
肩が上がってしまうクセがつきやすいものです。
慣れてきたら、これはやめていいですよね。

まず肘を曲げるだけで楽器を持ち上げ、
その次に歌口まで届かない分を上腕部を使って唇へ運ぶ、

というやり方をしてみてください。
そしていつもの肩が疲れるやり方とどう違うか観察してみてください。

それから、歌口の穴をどうふさぐかと管の向き(内向きか外向きか)、
指使いと管の向きの関係はいろいろ探究できそうですね。

歌口の穴を多くふさぐために管を内向きに回したい、そうする時に肩を使っているのか?
楽器の支えが不安定だと、安定させようと肩を使って自分の方に引き付けてしまっているのか?
右手に力が入ることと、左の肩が疲れることとは関係あるのか?
これらは必要か不必要か?不必要ならばどんなやり方ができるのか?

などなど、いろいろと観察できそうです。
またわかったことを教えてください。

(その2に続く)