法学セミナー2010年12月号
http://www.nippyo.co.jp/magazine/maga_housemi.html
●特集= 検証 法科大学院の新たな論点
[座談会]
法科大学院における民事法教育…大村敦志・鎌田 薫・潮見佳男・松本恒雄
[論点1] 入学定員削減・新司法試験合格者数の動き…藤田尚子
[論点2] 共通的な到達目標…上石奈緒
[論点3] 予備試験…池田雅子
[論点4] 法科大学院の再編…三澤英嗣
[連載:法科大学院の論点 3]
法科大学院の学内試験を考える――教員と学生、それぞれの観点から
…小山 剛 ・ 2010年新司法試験合格者
このうち、「法科大学院における民事法教育…大村敦志・鎌田 薫・潮見佳男・松本恒雄」における発言から、いくつか引用。
「これまでの新司法試験の合格者を出身別で分類すると、平均点が最も低いのは法学部出身者の未修者といわれていますから、法学部を出ながら未修者として入学する人たちの集団は、何か一定の問題を抱えているのかもしれません。ただし、2010年の新司法試験の全国1位と2位の合格者はいずれも早大(早稲田大学-ESP補足)法学部を卒業して未修者コースに入学した方だと聞いていますから、全体の状況にも少し変化が生じているのかも知れません」(同誌5頁の鎌田発言)
→ESPコメント:この傾向は確かに色々と指摘されています。ただし、いわゆる純粋未修者は受け控え率が高いと言われていますから、純粋未修者はある程度自信のある人(または開き直った人)が受験層になっており、他面、法学部出身の未修者は受験する傾向があるのかも知れず、それが数値の違いに反映している可能性もあります。
「私は1年次の未修者に対して、2年に上がる前の段階で、法科大学院の民法教育の全体像を示しています」(同誌7頁の潮見発言)
→ESPコメント:試験範囲には限定がないこと、法律科目は全体が分かって初めて理解できることも多いことからして、全体像をつかむことは極めて重要なことだと思いますし、その意味で、潮見先生のされていることは、受講生の大きな参考になるものと思います。全国の民法の先生が、潮見先生のようなことをしてくれるとは限りませんから、勉強する側が自主的に常に全体像をつかむ努力をする必要があると思われます。
座談会の内容はためになるものでありましたが、ただ座談会が「民法教育」ではなく、「民事法教育」と銘打っており、かつ、法科大学院・司法試験・司法修習では民法と民訴の基礎理論を融合する要件事実論も無視できないわけですから、せめて民事訴訟法の先生もおられれば、と思ったりもしました。
また、司法試験は司法研修所入所試験でありますから、司法研修所教官の先生や、派遣裁判官教員の先生も座談会に加わって頂ければ、なお有意義になものであったと思いました。