誰もが根治する治療法なんて無い | 父ちゃんの食道癌…改め…父ちゃんの「せん妄」

父ちゃんの食道癌…改め…父ちゃんの「せん妄」

2013年夏、私の父親(70代)に食道腺癌が見つかる
11月に食道亜全摘手術を受け、術後の経過も順調だった

ストレス耐性が弱い父は「食べる事」に挫折

せん妄

食欲は回復したが、認知症対応型施設に入院

退院

 父の食道胃接合部癌は、進行度Ⅲです。


 病期Ⅲの場合、

50%程度の人に治癒が期待される

50%程度の人は治せない


だそうです。

治癒が「期待される」というのは、治癒できるというのとは違うように思われます。


 食道腺癌には放射線治療が効きにくいため、切除可能であれば切除します。つまり、治る(出来れば根治したい)可能性があるから手術するのです。


 しかし、手術で治るのは50%程度です。

 この場合の「治る」も、ちょっと曖昧だなと思います。


 手術の「50%」よりも、可能性を高める為に、術前補助療法として化学療法をしてから、手術をします。が、この組み合わせで「手術のみ」と比べてどれくらい可能性が高まるのか、わかりません(聞き逃したのかもしれません)。


 術前の化学療法の効果が低ければ、癌の浸潤や転移が進んでしまうかもしれません。


 抗がん剤には多くの副作用があります。二次癌なんていうものもあります(抗がん剤がのちに癌を発症させる原因となることがあり、原発と同じ所に出来ることもあれば、他の所に出来る事もある。この癌は再発・転移とは別に新たな癌が発生したという事になります)

 今は将来なるかもしれない二次癌をくよくよ気にするよりも、現在進行している癌を治療するべきだと思います。





 また、父の場合、胸部と腹部の手術で大掛かりなものになるため、術後の合併率が高いのです。命にかかわる合併症は4~5%だそうです。


どういう合併症があるのかというと、呼吸器合併症(15~30%)、縫合不全(2~10%)、反回神経(声帯の動きを調節している神経)麻痺(15%)、などです。(資料によって数字が若干違います)


 呼吸器合併症は、肺炎、無気肺(肺に空気が入らない状態)、低酸素血症などがあります。これは、気管や反回神経の周囲のリンパ節を取り除くので、手術直後に気管の血流が悪くなったり、声帯の動きが悪くなるのです。そのせいで痰がうまく排出できない事があり、こうした合併症が起こるそうです。


 その他には、腸閉そく、創感染などがあります。




 進行度Ⅲで治療した人の5年生存率は…などと考えると、心が揺らぎます

 悪い方向に考えるときりがありません。

 それでも、治る可能性があるから、やる。

 前向きにいきたいというか、前向きに行くしかないです。



 私の周囲にも、癌を患った人は複数います。治療してリハビリをして元気に生活している人もいれば、治療をしたけれど亡くなってしまった人もいます。


 可能性というのは、患者にとっては、治療方針を決める際の目安に過ぎないと思います。根治するのか、再発するのか転移するのか、実際やってみないとわからないのだから。



 父には保険適用の範囲で出来る限りを尽くして、癌に勝って欲しいなと思っています。