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3回目の抗がん剤投与
から7日目です
昨夜は、眠る前に
ウクライナのことを報道する
ニュースをYouTubeで見て
「祈ること」
について考えていました
ごく普通の、特に祈る習慣もない
家に生まれた私ですが
なぜか物心ついた時から
寝る前にお祈りをするのが
好きでした
と言っても
自分で勝手に作ったお祈りの言葉を
心で唱えながら寝るだけの
フリースタイルお祈りです
寝る前に祈ることは
その日がどんな日であったとしても
今日1日を納得できるような
不思議な落ち着きをくれました
祈っても仕方ないという言葉も
祈りには力があるという言葉も
両方耳にしたことがあるし
そのどちらもが
正しいとか良いことだとかいうのは
人類が後どれだけ生きたとしても
きっと答えは出ないでしょう
自分の力ではどうにも
及ばないことに対して
何か大いなるものとの
繋がりを感じながら
起こったことに対して
自分には理解できなくとも
それが次の希望につながっていくのだと
思える人は祈り
そうでない人は祈らないのだろうと
なんとなく勝手にそう思っていますが
温かい布団に入る時に
同じこの時間を
恐怖で震えながら過ごしている人が
いることを思えば
やっぱり
祈りには力があると
信じたいし
それを信じることで何か
新しい力が生まれてほしいと
願わずにはいられません
そんなことを思いながら眠った
明け方、また
痛みと痒みで目が覚めました
隣で寝ている夫を起こさないように
そろそろとベッドから這い出し
薬を置いている、鏡台の前へ移動
起きて追加の痛み止めを飲み
痒み止めの塗り薬を塗っただけなのに
激しく息が切れ
ハアハアと言いながら
また布団に潜り込んで
息が鎮まるのを待っていると
遠くで救急車の音がします
こんな朝早くに
誰かが救急搬送されている…
どこの誰かは分からないけれど
どうか無事でありますようにと
自然に祈る気持ちが出てきた時
以前しんどくなった自分が
自分の事しか考えられなくなって
辛かった時のことを思い出しました
あの時
身体の痛みや痒みで頭がいっぱいになり
それしか考えられなくなっていた
自分だけれど
今少し落ち着いたら、自然に
どこかの誰かのことを
祈ることができた
その事に気がつくと
身体の芯にじんわりと広がっていくような
温かい感覚があり
こんなふうに祈れる
自分なら大丈夫
と感じて
そんな自分が好きだと思えました
治療中とはいえ
自分を誇ることや
誰かの役に立つことができているとは
思えない今でも
祈ることはできた
しんどいとか痛いとか
自分のことで精一杯の1日の中の
ふとしか瞬間に
誰かのことや何かのことを
祈る時間があるだけで
何か大きな意味があるような
そんな気がしたのです
自分のことが好きだと思えて
そばに大切な人がいる
どこかの誰かの為に祈ることができた
それが自分の真ん中に
静かに降りてきて
軸を作ってくれたような感覚になり
ああ、もしかしたら
幸せってこんな事なのかもしれないと
不意に感動してくる自分を
明け方に1人で坊主頭のアラフィフが
こんなこと考えて
可笑しな私だと感じながらも
この何でもない日の明け方に
感じたこの感覚を
しっかり覚えておこうと思いました
人生最期の日まで
自分を好きでいられる
自分であろう
大切な人を大切に思える
自分であろう
そして、誰かの為に
祈れる自分であろう
１日の時間の中で
この３つを感じられるのなら
それはそれだけで
幸せな人生と言えるような
気がしてきたし
何よりこの思いは
とても私を落ち着かせてくれ
上がっていた息もすっかり落ち着きました
何でもない日の、幸せな朝に
近くの大切な誰かのことを
遠くの顔も知らない誰かのことを
祈れる時間が
何かの一歩になりますように
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