
少し前に日本語版も出たこの作品。
アーサービナード氏の「超訳」
「はじまりの日」で
この歌を意識した方も
いらっしゃるかもしれませんね。
よく知られている邦題は
「いつまでも若く」
Forever Young
こちらも前回ご紹介した
Blowin' in the Wind 同様
よく知られた
ボブディランの代表作。
ところでこの歌は
Rock&Rollと政治的な志向が
結びつきを得て
若者の発言力が高まり
「Don't trust over thirty.」
30歳以上の大人のことを信じるな!
という過激な言い分が
聞かれた時代の歌として
日本では解釈されている
場合が以前は多かったようです。
しかし全編を聞いていただければ
分かりますが
この歌は愛息への
健やかに育って欲しいという
ごく当たり前の親心を
歌のしたもの。
Forever Young
大切な我が子に
いつまでも
老いぼれることなく
健やかに長生きして欲しいという
父親としての情愛を
歌ったものです。
イラストも一枚一枚が
深い意味を持って描かれており
作者ポールロジャース
本人の解説が
巻末にまとめられています。
ボブディランの偉大さが
嫌味なく
あますところなく伝わる
素晴らしい絵本です。
この20世紀を代表し
今なお現役であり続ける
偉大なるアーティストに
乾杯です。
Forever Young
Bob Dylan/Paul Rogers
ISBN 978-1-84738-429-4

代表曲の多いボブディランですが、
一曲だけ、となると
やはりこの曲を選ぶ方が多いでしょうか。
風に吹かれて
Blowin' in the Wind
私はボブディランが
それはそれは大好きなのですが、
それは学生の頃にさかのぼります。
平成のバブル期に学生時代を過ごした私は
山手線のなんたるかもたいして知らないまま
東京での一人暮らしが始まりました。
金満ニッポンの野心みなぎる東京で
居心地の悪い地方出身の大学生の生活を
なぐさめてくれたのがボブディランの歌です。
常に他人のレッテル貼りを欺きながら
転がり続ける孤高のアーティスト。
初期の代表作であり
アメリカの音楽の歴史にも
偉大な足跡を残した歌曲。
この絵本では美しい水彩画で
この複雑で多重なイメージを持つ歌詞の世界が
あくまで軽やかに
美しく表現されています。
知らずに生きてゆくには
惜しすぎる美しい世界が
ここにはきちんと表現されています。
子どもに教えたいことは
問題の正解ではなく、
軽々に答えの出ないような問題にも
答えを求めていく歩みを止めないということ。
それがアメリカ人の教育の哲学だと
私は思っているのですが
ここにはまさに
「アメリカ人が子どもに伝えたいこと」が
素晴らしく表現されています。
今日の天候のように
急に肌寒くなったスローな一日に
静かに開いてみたくなる一冊です。
Blowin' in the Wind
Bob Dylan/Jon J Muth
ISBN 978-1-4027-8002-8
