前回からの続きです。
"On The Way Home"(家路にて)
日本語詞 サエキけんぞう
When the dream came 夢が来る
I held my breath 目を閉じ
with my eyes closed かたずをのもう
I went insane, 狂いだす
Like a smoke ring day 煙の輪を
When the wind blows 散らされるよに
Now I won't be back 帰れないんだ
till later on しばらくは If I do come back at all 戻れるのはいつ? But you know me, ごめん、行くよ and I miss you now. わかってるよね そもそも。 家って誰と住んでいる家なのでしょうか? 恋人ならば別れの歌。 家族なら独立の歌。 あるいはもっと抽象的なものとしての Home なのか? ニール・ヤングの作詞ですから そのへんもいろいろと考えてしまいますね。 私はロマンティックな関係の終わりではなく、 おそらく家族のごとく 慣れ親しんだ「何か」への 惜別と受け止めました。 やはり insane という言葉使いや その後の表現に 複雑なイメージが織り込まれているからです。 そうなると 集中して物事を考えているような その前の表現も 少し見方が変わってきます。 私はボブ・ディラン大好きっ子なのですが、 ディランが作品について 自分で余計な解説をしないように ニール・ヤングも 「これはこういう心理状態で、 こうこうこういう意味で作ったもので、・・・」 なんていちいち説明するタイプの方では ないはずです。 だからこそ、受け手のイメージが 豊かに広がっていきますよね。 このような世界観をもつ 短い歌詞から読みとるべきは 「意識の流れ」だと私は思います。 そのへんのぬかりなさも、 サエキ訳からは伝わってきます。