招致活動の仕上げは素晴らしい最終プレゼンテーション。ここで評判を上げた方もいらっしゃいますね。中でも地元でのオリンピック開催への意気込みをストレートに伝えたフェンシングの太田選手や、誠実そうなステキな笑顔でプレゼンテーション全体の流れを作った佐藤真海さんが評価されたのは当然だと思います。
プレゼンテーションについては、母語でないという制約の中、大変な時間と努力を注入してどの方も完璧な備えをなさっていたことがうかがえました。
ビジネススキルとしての「プレゼン」の講師から教わったのかな、と思われる取ってつけたような身振り手振りのある方も中にはいらっしゃいましたが、それはご愛嬌。ご自分の持ち味をひきたたせるために、過度の緊張感は打ち消しながら行うのがプレゼンテーションの基本だと思いますが、やはり、「ここで手を広げましょう。」というような細部のことでは、プレゼンの大きな流れは変わらないということが逆にはっきりとしたのではないでしょうか?
私はビジネススキルの講師にあるような「プレゼンの先生」ではありませんが、英語でのプレゼンテーションの準備にお手伝いすることはあります。
英語の中でも発音を重視する私。実は「ネイティヴなみの美しい発音を」という「本場志向」のためではありません。せっかく用意した英文が、残念な発音のせいで伝わらないのはもったいなすぎるからです。
そして日本人のプレゼン初心者にお伝えしたいのは、実は足し算のプレゼン技術ではなく、他はともかくあなたが絶対に相手の印象に留めたい「キーワード」を際立たせる「引き算」の技術。
それは、実は私と一緒に英語読み聞かせを経験なさった方なら知っていること。
英語で話をするときには、これは時々英語という言語のもともと持つクセでもあるように感じられるのですが、言ったことは伝わっている、という前提があるコミュニュケーションになりがちだと思います。その代りに行間を読むという気配りは必要なしです。
だからこそ、多弁を排し、言いたいことの核の部分を相手に届けるということが必要になります。
もともと言葉だけでコミュニュケーションが成立しない若いお子さんたちとの経験の中で、私が実践的に学んできたこと。その集大成が英語読み聞かせであり、その中に英語でコミュニュケートするというスキルのすべてが入っています。
私が英語読み聞かせを愛してやまない理由です。