
一昨日のグーグルのトップページがモーリス・センダックだったことから、英語ソムリエ講座受講生にして、私が敬愛する「絵本の先生」かこさんこと神保和子さんのブログに触発され、この本を読み始めました。
センダックというアーティストを、イラストレーターとしてだけではなく世界中に愛される屈指の絵本作家に育て上げた伝説の絵本編集者、ノードストローム女史のことを書いた本。
なかには、彼女が仕事の中で書いた作家やアーティストへの手紙が数多く掲載されています。
日本語訳も出ています。
もちろん、専門の翻訳家の手を経て正しく翻訳された日本語版は何よりも私たち日本語話者の頭に確実に入ってくるもの。この本に日本語版が出ているのは実にありがたいことです。
なのですが、私がまずは原書を買い求めたのは理由があります。
素晴らしい和訳がなされていたとして、この方が実際に書き記した手紙の原文はどういう表現だったのだろう、と気になってしまうに違いないからです。
まだ最初の四分の一ほどを読了したに過ぎないのですが。
作家たちをいつも励まし、絶妙なるサジェスチョンで「良作」をしばしば「時代をも超越する名作」へと導いていった過程が、原文からにじみ出ています。
時には断固とした意見も、作家の能力を信じ切る愛に裏打ちされている表現で、私たちの心を打つものがあります。
この人がいなければ存在しなかったたくさんの至高の名作絵本たち。
そのアメリカのみならず世界の児童文学に及ぼした影響を考えると、ただただ感動です。