
今朝(2013年6月10日)グーグルのトップページで、MAXが目に飛び込んできました。
MAX,もちろんMaurice Sendackの名作絵本、 Where the wild things areの主人公です。
センダックといえば、昨年亡くなってもう1年。今日は彼の生誕85年だそうです。
アメリカはもちろんのこと、世界で愛されているセンダック。日本でも冨山房をはじめ、いろいろな出版社から日本語訳が出ています。
子どもの頃に、そういえば読んだなー。かいじゅうたちのいるところ!
なんて、懐かしく思い出されたあなた。
大丈夫。没後一年経っても、かいじゅうたちのいるところ、今でも新刊で手に入ります。
原作が作られたのは私が生まれるよりも前の1963年。現在日本で定番となっている冨山房の日本語版は1975年に出たのだとか。それからも版を重ね、日本語版 累計約100万部!!
しかしこの本も、あまりに「wild」なMAXのふるまいゆえ、最初の頃は「子どもに悪い影響を与えるのでは?」と、決して好意的でない受け取られ方もしたのだそうです。
一部の大人の中にそのような懸念があっても、これほど多くの人に時代を軽々と超えて愛され続けている理由は、それが「本物の」ものがたりだから。
そしてそれは、「こんなにすごい、という読者の声ぞくぞく。」とか、誰かが雄弁に言った結果現れたムーヴメントなどではありません。
いいものは、時代を超えて愛される。
シンプルだけど、それだけのことです。
とはいえ。
例えば、テレビの「お宝鑑定団」を見ていればしばしば出てきますが、「没後に値段の上がる作家はほんの一部。」。
やはり普通は生きていてこそ作品も愛されるもので、作品自体に「魂」がこもっている本物を残さなければ、否が応でも記憶の彼方に消えてゆくのが人間というもの。
私たち「読み手」はその大事なヘリテージをありがたく使わせていただくにすぎません。
だからこそ、本物の作品に出会えた時の喜びはひとしおなのです。