
今年度から、「高校英語は原則英語で指導」。
実はこれ、今年高校1年生になった学年への適用。現在の高校2年生、3年生は相変わらず「日本語で英語を説明する」授業を受けています。
施行から1か月少々の現状を、日経新聞が取り上げていました。
ある都立高校では、授業の前半10分を英語で教師が質問し、生徒が答えるといった「英会話」?の時間に使い、残りの時間を従来の「日本語で英語を教師が説明するという授業を行っているとのこと。それでも英語の授業時間全体では英語でのやりとりは三分の一あるということです。
なんだか、見慣れた英語の時間に「英会話」を足したような感じですね。高校1年生に「What did you do on Golden Week?」という質問は適切だとは思いますが、それ、小学校の英会話活動とかぶってますね。
そして残念なことですが、「今が新鮮味を感じた生徒が英語を使おうとしているが、英会話は成績には(ほとんど)反映されない。」とのこと。だったら、授業で説明する文法項目の時間を削ってでも確保している英会話の時間はなんのため?
文科省の考えでは、英語のみを使った英語の授業は可能とのこと。
私は実際には日本で高校生を教えたことは無いので、はっきりとは申し上げられませんが、高校生レベルでの英語教育の場合、日本語で文法事項その他を確認する時間は必要だと思います。文法を整理して理解することは、漫然と英語で過ごすのと違って頭の中に理解を定着させることですから、これは必須。そして文法に隔たりの大きい日本語話者の私たちが英語を話すとき(書くとき)必ずやらかす間違いを無くすための確認は、日本人英語教師が日本語で説明するのが一番効率的です。
ただし、今までの「そちらのほうが主流で、英語で英語を教えるのは外国人講師などとの限られた時間のみ」、という時間配分は全く賛成出来ません。日本語による文法事項の確認はせいぜい20%か25%もあれば充分のはずです。つまり残りの75%かそれ以上は、英語に置き換えが可能であるし、また必須でもあると思います。
なぜか?それは、言語とはやはり「話し言葉」ありきであって、書き言葉はその話し言葉を記録するためのものにすぎないからです。「書ける」けど、実際に話す場面では「言えない」。私もこれに何度も苦い思いをしてきて、今でももちろんあるわけですが、それでは本当にその言語が分かっているとはいえないからです。言語は耳から入れて、口から出すものです。(例外として手話があります。)
このような考えを一度表明したうえで、クラスでの英語の展開のお話しになります。
ですので、「クラスルーム・イングリッシュ」は単に「おーい、じゃあ今日はXXページからだったね。OOさん、読んで訳して。」を英語にしたような単純な表現集のお話しにはとどまりません。
続きます。