女性が持っている卵子は、この世の中に女の子として産まれてくるときにすべて貯金してくるもの。だから卵子の年齢はその方の年齢と同じ。
キャリアの形成などのタイミングで結婚や妊娠の年齢が高くなることについては、生理のレベルではなかなかついていけない部分があり、それが不妊に悩む人の割合に関係があるということ。
NHKで特集が組まれてにわかに注目されたようですね。私も決して医学的な知識があるほうではありませんが、このことが今さら話題になったことについてはかなり衝撃を受けました。
日本人はケガレ思想もあったせいなのでしょうか、自分の体について無頓着だったり間違った知識を持っている人が多く、危ういものを感じることがあります。
知らしむべからず。
寝た子を起こすな。
アメリカで子どもにものを教える教師だった経験のある私が一番容認出来ないことです。知らしむことが悪ならば、教師の仕事はなんでしょう?
正しい知識がなければ正しい判断は出来ない。当たり前のことですが、生理はファンタジーでは解決出来ません。
もちろんNHKの特集のおかげで、あらためて「妊娠出産は技術の日進月歩でコントロール出来る」だけの簡単なものではない側面を持つことを多くの方が確認なさったことはステキな事です。
でも私は別のことを思い出してしまいました。
もうすっかり前のことになってしまいましたが、少し前に歌手の倖田来未さんが、
「35歳すぎると羊水が・・・」という発言をしてお叱りを受けたことがありました。
確か20代で子どもを授かった仕事仲間か何かのことを喜ぶコメントで、健康な妊娠の喜びを分かち合うための発言だったようです。
そのとき彼女が意図したのは、おそらくですが、医学的に見てもリスクが少なくおめでたい20代での妊娠出産をよろこぶという趣旨だったと思います。
30代や40代での妊娠でも、「羊水」は妊娠に伴って自然に発生するもの。妊婦が若いかそうでないかでそれに優劣は無いとのことですので、結果的に彼女の発言は
「間違っていました。」
でも、彼女があいまいな知識であいまいな発言をしてしまったことは過失かもしれませんが、その趣旨が「妊娠出産にはタイムリミットがある」ということをいいたかったのだったら、あの時にきちんとその発言の趣旨を受け止めて情報発信する医学関係者が居てもよかったと思います。
あるいはいらしたのかもしれませんが、とにかくあの時の騒動で私が覚えているのはコメントを求められた医師の「羊水は腐敗しませんよ。」という、誠に木で鼻をくくったような発言だけでした。
医学関係者の「知らしむべからず。」は
本当に勘弁してほしいと思います。