小学校での英語活動(英会話)は、中学校で本格的に始まる読み書きのための英語教育とは目的が違います。
英会話とあるように、発語することが主眼。
アルファベットはあとから中学校で(いやでも)じっくり習うので、文字を読ませるのではなく音に集中させるために文字の扱いは最低限とする。
というのが、この国の公教育の現在のスタンダードです。
4年生でローマ字を勉強したばかりの5年生。子供たちは興味しんしん。なんとももったいないのですが、それは別の機会にお話しさせていただくことにして。
小学校での英語活動を意外に邪魔をするもの。
それは、日本人の普通の大人の考える英語の発語のスピードです。
今現役で教壇に立っている小学校の先生が、まだほとんどの場合英語でのコミュニュケーションに限られたご経験しかないのは当たり前のこと。
ですが、この英語活動はその後どんなに短い場合でも中学校での3年、そして高校、大学全入時代の今の子供たちにとってはさらに多くの場合長い年月をかけて勉強させられる英語への第一印象を左右してしまうもの。責任は重大です。
残念ながら、英語を実際に発語する経験に乏しいごく普通の日本人の大人の場合、一語一語を区切ったゆっくりのスピードで読む古式ゆかしい音読スタイルが主流です。
遅すぎるうえに、英語としてのリズムが無い。そして英語で音をとらえないでオウム返しで覚えてしまっているので、これで”英語”を聞き取る能力は育たない。聞き取れない音が、自分の口から出てくることは未来永劫ありません。
漢字は表意文字。でもひらがなカタカナと同様、アルファベットは表音文字。表音文字というのは、たとえその言葉の意味が分からなくても音は表してあるので発音は出来るはずなのです。
小学校の先生。脅すつもりはないのですが、どうぞ子供たちが”英語って好き。”と思える環境づくりのために相応の準備をお願いします。私たち英語教育者は、みんな協力を惜しまない気持ちで居る、はずです。