関係者が敵対的TOBの可能性に言及していると。
>「この先、味方になってくれるスポンサーと共にTOB(敵対的株式公開買い付け)を仕掛ける手段もある」

この件について考えてみた。

1.ファンドが手掛けられる規模感
時価総額約200億、有利子負債0、現金・預金100億超なので、EV100億程度。
ファンドが手掛けやすい規模感ではある。

今後の収益状況が読みにくいけど、計画を信じるのであれば投資できるレベルなのかもしれない。
(ただ、今回の件の影響とか非常に読みにくいかと。)

2.LBOは使えない可能性が高い。
この点ファンドは気にするかもしれない。
公開買付届出書の添付書類とか見ると、対象者の経営陣の賛同が条件と書いてあるものばかり。
過去の(本格的な)敵対的TOBの際にも、LBOで調達した事例はないかと。
ダヴィンチ(BNP)・王子製紙(野村キャピタル)・PGM(平和)等もLBOじゃなく、自己のクレジットによる資金調達かと。

3.創業者が支配権を握る形は難しいかと。
ファンドが株式を買い取る場合、いずれどっかに売却する訳で、創業者が支配権を握れない。
同様に、同業他社が株式を買っても同様かと。

そうすると、銀行等からシニアローン・ファンド等からはメザニンで調達してMBOというのが理想だろうけど、
上述した通り、敵対的TOBとなる以上、このスキームは使えないかなと。

4.過去の事例
委任状争奪戦→(本格的な)敵対的TOBとなった事例はアコーディアが該当するかと。
アコーディアの時は、決算期末・第三者割当増資ができる理由が消失したのを確認してから敵対的TOBとなったのかなと。
そういう意味では、大塚家具の敵対的TOBがあるとすれば12月の決算期末あたりを睨んであるのかもしれない。

ただ、アコーディアの件を見る限り、敵対的TOBは非常に難しい。それでもやるのけという気がする。
親子という特殊な状況も加味すると、これ以上エスカレーションしても、創業者にとってメリットがあるのかなという気もする。

結論としては、可能性は低いかなと。
そもそも、本当に敵対的TOBをやる可能性があるのであれば、馬鹿じゃない限り、それを示唆したりはしないかと。。。
以下間違い。
そもそも分配可能額がないんだよ、決算書読めというオチ。。。

ざっと見たけど、これいわゆる配当リスクがあるんじゃないかなと。
要は、事業年度末(3月末)から総会の間にTOBが終了する為、TOBに応募した株主が、多額の配当をくれという提案をしてくる可能性があるかと。
3月末の株主は5月にTOB価格を受け取るけど、総会での議決権を持っている為、多額の配当議案(当然、分配可能額内という制約はあるけど)が提案されれば可決される可能性大かと。

雪国まいたけも決算期末から総会の間にTOBが終了するけど、ほぼ過半数の株式保有者達から応募契約(議決権行使についても拘束しているはず)をもらっているので問題ないかと。
日本風力開発の場合、決定的な大株主が不在の為、配当リスクが残ると思う。

多額の配当が、TOBの撤回事由に該当するだろと思ったけど、これは総会で多額の配当決議が通った段階でないと適用できないかと(確定しないので)。つまり、株主提案段階では撤回できない為、今回のTOB期間中に、撤回するのは無理かと。

株主の権利を事後的に奪うやり方であれば、何とかなるかもしれないけど、それはそれで問題があり、完全にリスクを排除できないかと。

妙なファンドが決算期迄に買って、株主提案権がある株主に働きかけてうんたらという展開があるのかもしれない。(そういう意味でもなんでこの時期にやったのか。。。)

1点気になるのが、この手の配当リスクは、TOBの本なら大抵掲載されている話。
当然、ベインサイド(全員とは言わないけど)は気が付いているはず。
僕が見落としているだけで、何か回避方法があるのかもしれない。
ざっとしか見てないし。。。
部長に指摘をしてもらったんですが、今回の件は、(岐阜銀行の件の)課徴金に対する取消訴訟の地裁判決。
興味がある人はT&Aマスターをどうぞ。月曜日に届いた分。



T&Aマスターに書いてあった。
岐阜銀行の件かと。
地裁は課徴金は適法ですよと。
判決文を詳細に見てないけど、記事を見た感想を。

1.「他人に誤解を生じさせる目的」の認定
節税目的であろうと、上記の誤解目的を認定される可能性があると。

2.やっている人は止めた方がいい。
今回の件は、大体2営業日に1回、平均関与率が約15%程度。それでもNGと。
じゃーどこまでならば大丈夫なのか?これは分からない。
優待のクロスとか月に1回程度であれば、これは問題ないとは思う。
そこまで射程距離を広げると混乱が大きすぎるかと。
じゃー、10日に1回、関与率5%程度であればいいのか?どうだろ?監視委員会がチャレンジしてくる可能性は否定できないかと。

某繊維銘柄とか見ると、(空売り規制改正の影響とかもあって)明らかにやっている人がいるけど、多分やめた方がいいかと。

判決が確定すると、過去に遡って、ごそっとやってくるだろうなと。

3.この事例は特殊
1点気になるのが、この事例ではクロス取引をやる前に買いポジを持っていたという点。
それがかなり重要なんじゃないかなという気もする。

というのが、課徴金の計算にあたっては、買付数量と売付数量の差を基本にする。
純粋なクロスであれば、これはゼロ。
つまり、課徴金の計算上ゼロにしかならない。
勿論、告発すれば話は別になるけど、このあたりは難しい論点が色々あるかと。

また、上記の「誤解目的の認定」にあたって、買いポジを持っている状態でクロスをしたというのが重要なんじゃないかなという気がしないでもない。

4.改正されるかもしれない。
税制というのは結局いたちごっこ。
こうやって訴訟に発展して、有名な雑誌にまで掲載されると、制度改正というリスクが高まるかなという気もする。