山下達郎の新譜『SOFTLY』と日曜天国、sundaysongbook、BRUTUS達郎特集 | 書物と音盤 批評耽奇漫録

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来たる622日に約11年ぶりのニューアルバム「SOFTLY」を発表する山下達郎さんのキャンペーンが6月に入りスタートしております。

 

達郎さん言うところの「ワーナー(ミュージック・ジャパン)の戦略」というやつですな。

 

まずはラジオ番組「安住紳一郎 日曜天国」にゲスト出演されましたが、なんと達郎さんの大昔の三矢サイダーのCM音源や、19歳の時に出した100枚限定の自主制作盤「ADD SOME MUSIC TO YOUR DAY」からの曲をラジオで流したりと中々な番組でした。

 

 

 

 

は山下達郎 Performance '84-'85 パンフレットと、それに付いていた山下達郎CM全集 VOL.1 FIRST SELECTION(EP)です。

 

 

 


 そして同じ日の達郎さんのラジオ番組「山下達郎sundaysongbook」では、ニューアルバムの1曲、1曲についての、達郎さんご本人による解説(前編)が聞けました。(来週はその後編)

 

 

それに引き続き、

 


 BRUTUS」最新号は達郎さん大特集でさっそく読みました。

 

まずは「山下達郎の音楽履歴書 TATSURO'S MUSIC BOOK」、"山下達郎、50年を語る"として、新譜「SOFTLY」を出す達郎さんへの合計8時間を超えるインタビューが白眉ですな。

 

さすがに新譜については触れていますが、達郎さん御本人のこれまでリリースされたアルバムについてよりは、大滝詠一、細野晴臣、大貫妙子、矢野顕子、吉田美奈子、松任谷由実、鈴木雅之、EPO、近藤真彦、Kinki Kidsなど、多くのアーティストに携わってきた達郎さんの作家的なキャリアについての話がメインで、ちょっと今までのインタビューとは切り口が違うところが面白かったですね。

 

sundaysongbookを毎週聞いてますが、そこでも出てこないようなお話もチラホラ出てきて良かったです。

 

一応、雑誌の企画として"山下達郎全仕事"を網羅するというものみたいなので、本当は6時間のインタビューだったのを、達郎さんの方から"それじゃちょっと物足りないんじゃないの"ということで、さらに翌日に+2時間のインタビューが加わることになったそうで、そりゃ内容濃いはずです。

 

そのインタビューの狭間に、細野、大貫、矢野、鈴木、林哲司による、達郎さんとの仕事についてのエピソードや達郎音楽に対する思いを語るインタビューが各々挿入されている構成となっています。

 

細野さんが、昔から知ってるし、共演もしてるのに、達郎さんと実はほとんど話したことないという話や、林哲司さんがついこの間まで達郎さんとコラボしたことが一度もなかったという話などの意外なエピソードが色々書かれてましたな。

 

さらに特別付録として、これまで達郎さんが作曲、編曲、コーラス、プロデュースを手がけた楽曲計449曲の「全仕事リスト」が初公開されています。(達郎さん自ら制作したリストをもとに構成)

 

また、達郎さんとは一緒にCMの仕事をしてきた中島信也氏のお話、

 

KinKi Kidsの「硝子の少年」を達郎さんが作った時に、筒美京平さんへの挑戦心があったそうで、その発言をもとに書かれた菊地成孔氏の「ライバルとしての筒美京平論」、

 

世界に届く山下達郎サウンド、

 

達郎さんのアルバムジャケットを作ってきた歴代の方々のお話、

 

奥さんの竹内まりやさんのインタビュー「まりやさんだけが知っている達郎さんのこと。」などなどが掲載されています。

 

それと、「SOFTLY」に収録されている全15曲を、15人のミュージシャンが1曲ずつ読み解く企画もありますが、こちらは実際に新譜を自分がちゃんと聴いてから読むことにします。

 

収録曲には既にシングルとして発表されている曲も多いですが、それでも新しいものを聴く前に他人の意見が入っちゃうとどうも純粋に聴けない気がしますので。

 

この後も雑誌での達郎さん特集号や、達郎さんを特集したラジオ番組など、6月いっぱいはいろいろ続くみたいですが、そちらもどれもこれも楽しみです。