彼の仕事始めがトンデモ始まりだったこと① | 高級泡姫は黒服くんと結婚したい

高級泡姫は黒服くんと結婚したい

アラサー泡姫華絵です。秋ごろより、長らく友人であったチーフ黒服(翼)と交際。この度、結婚&風俗卒業を決心しました。しかし、部屋持ち嬢の恋愛はそうそう甘くありません。穏便に風俗退店し平和な結婚生活を目指します。

今日から翼くんは仕事始めですが

私は大学生バイトさんたちのおかげで絶賛冬休み中です口笛


クリスマスは特別手当てがないので学生さんたちは友達との約束を優先するのか人出不足だったのですが、年末年始はお手当てがあるので学生さんや主婦パートさんも出勤したい方が多くありがたい限りです♡


朝から掃除をして

パンを焼こうかななんて思いながら

翼を送り出そうとしていたところ

彼のスマホに着信が。

鍵開け当番の黒服が出勤したところ

前に面接に来たあざだらけの女の子が

薄着で店の前に座っていて顔色も悪いと。




今日から営業開始のため忙しいのに!と頭を抱える彼。

周りの目もあるし彼女の体調も心配なので店の中に入ってもらい

大急ぎで支度をして私も同行することに。


店に着くと

骨が見えているんじゃないかと思うくらい細い小柄な女の子がガタガタ震えています。

長い髪もゴワゴワでふけだらけです。


もうお店の準備も始めなければいけないので、一旦黒服用の寮に連れて行くことにしました。

普段は黒服さんたちが仮眠室として使っていることが多く家具が揃っているし、お店から近いので丁度よかったのです。


黒服さんに社用車で送ってもらい

部屋に入ると急いでエアコンをつけて、お風呂を沸かしました。

その間彼女はぼんやりしていて眠いのかあくび

を繰り返していて

頭が働いていない様子です。

警察に連れて行こうとか色々考えたのですが

なんとなくそれはマズい気がしたので、とりあえずこちらで保護したのですが。


お風呂が溜まったので

季節外れの薄地の服を脱がせると

あざだらけ。

「痛い?」

聞くと首を振るだけ。

「お風呂に入れる?」

聞くと、うなづいてくれました。

しかし、動きが緩慢で洗う様子がないため洗体介助をし

部屋にあった黒服の誰かが置いているであろうスエット(若干汚い気もしたが、彼女が今着ているものよりは綺麗だし暖かそうなので)に着替えさせているとインターフォンが鳴り大量の食べ物やタオルなどを持った義母が。

翼が連絡したようで、義父が忙しいので代わりに様子を見に来たと。


私も少し不安だったので安心しました。


すっかり温まり、血色が少し戻った彼女の目の前に義母が


「何が好き?」


と食べ物を並べると


「何個たべていいの?」


と初めて喋りましたびっくり


「好きなだけ食べていいわよ。甘いモノもあるわよ」

と、どんどん袋から食べ物を出してくる義母。

おにぎりの袋をこじ開け食べる彼女。

おいしい、おいしい

と。


仕草を見ていて

ふと思ったことが。

彼女は20歳より幼いのではないかと。

見た目は羸痩が激しく身長も小さく小、中学生くらいに見えるなぁと思っていたのですが

本当にそれくらいなのでは??と。

義母も同じように思ったようで

お腹いっぱい食べて眠った彼女を見て


「小学生だったらどうしましょう?警察に届けるべきかしら?」


面接時の履歴書の写メを送ってもらい確認すると、住民票の写しは確かに20歳ですが本人のものと断言できず。

20歳超えていれば、本人の意思に委ねようと思ったのですが未成年となれば話が変わります。


長くなったので続きます。