今日は、かわいい後輩のギャルちゃんとご飯。
時間が合わなかったり
ギャルちゃんも忙しいので
なかなかゆっくり話すことができなかったので
久しぶりの時間です。
ギャルちゃんが気まずそうに
「私、華絵さんのお客様の指名をもらってしまっていて…。大好きな先輩のお客様を取るとかどうなのかなって。謝らなきゃとおもっていて…。本当にごめんなさい。」
私がギャルちゃんを勝手に客に紹介していたのですが、どうやらギャルちゃんは後ろめたく感じていたようです。
「むしろありがたいよ。だって、私がお客様にギャルちゃんを紹介していたんだもん。ギャルちゃんのことは信頼しているから言うけど、私、実は上ろうと思っているの。そうなると、私のお客様は皆困っちゃうでしょう?だから、変態なお客様はSちゃん、丁寧な接客を好む方はギャルちゃん、テクニックだったら…って少しずつお客様を整理していたの。でも、当然指名を返せず戻ってくる方が大半で、モノにできたギャルちゃんはすごいと思うよ。それは、あなたの実力だわ。」
ギャルちゃんはびっくりして動きません。
「まだ、誰にも言わないでね」
「はい。あの、実は私来月の売り上げ次第では部屋もちになれるって言われたんですけど、それって華絵さんの部屋ですか?」
「どうかな?私最近売り上げおちてるからね。部屋もちって人数決まってるわけじゃないから違う部屋かも。でも、私の部屋をギャルちゃんが使ってくれるなら嬉しいな。だって、初めにあなたに会った時ピンと来たの!この子に部屋明け渡したいって」
心からそう願っていました。
もうアラサーの私がトップに君臨しているのはムリな話です。
しかし、お客様に対してやってあげている、させてあげるといった上から目線の子が多く、お客様が払った大枚で自分が生活できているという感謝の気持ちをもった子がいませんでした。
その点、ギャルちゃんはお客様の差し入れのお茶一本でも感謝できる素晴らしい子だったので、この子なら店を任せられる。そう思ったのです。
「頑張ってトップになって。まだ、教えられていない技も全部教えるから。そして、いつまでもお客様に感謝できるあなたでいてね」
私ばかり話してしまいましたが、ギャルちゃんは涙を溜めうなづきながら聞いていました。
そして
「華絵さんの卒業がさみしすぎて喜べません。でも残す時間で色々教えてください、いつか華絵さんみたいな泡姫になりたいです。そして、トップになった時いっぱい褒めてください」
泣きながら話してくれたギャルちゃんの言葉を聞いた時
何かが華絵の中でガラッと崩れた気がしました。
それは、きっと去勢を張って保ってボロボロになっていた泡姫としての自分です。
この子に任せていいんだ。
そう思えて
私の肩の荷が降りたようです。