そして最後に笑って見せて(26) | えりんぎのブログ




~チャンミンside~


















宣言どおり、夏休みラスト2日はヒョンがいないままの練習になった。
ほとんど出来上がっていたから特に問題もなく他の3年生の指示で練習。 
トワリングと掛けてる人も結構いるようで、ポツリポツリとフォーメーションに穴が空いていた。




グランドで担当の先生を中心に集まったトワリングのメンバー。
ここから、嫌でもよく見える。
あ、ユノヒョン。
先生と何やら熱心に打ち合わせしていて。
どこへいっても、何をやっても仕切っちゃうんだな。
僕からは想像も出来ないよ、と感心したり。


自然にユノヒョンの周りに人が集まって練習用の棒をクルクル回しはじめた。
さすが3年連続は伊達じゃない。
元々のセンスもあるのかな?
誰よりも速く、誰よりも安定感のあるスティックさばき。
何をやってもいつも楽しそうに笑ってるヒョンが羨ましかった。



いつまでもダラダラ眺めていたのがちょっと失敗で。


小柄な身体がヒョンに近づいたと思ったら、・・ソヨンさん。


きっとコツを教えてもらってるんだろう。
少し離れたところで2人。
なかなか上手く出来ない彼女の肩をポンッと軽くたたくヒョン。
そんなヒョンに笑顔を返す彼女。


遠すぎて表情までは見えないはずなのに、容易に想像できるくらいの幸せオーラが彼女から溢れていた。






あの夜公園のベンチで、僕に聞いてほしいことがあると言ったヒョン。
それが何なのかはまったく分からないけど。


ねえ、ヒョン。
僕も言いたい。
恋愛なんてまったく興味のなかった僕が、・・こんなにドキドキした事。
ヒョンと一緒にいたほんの少しの時間が、僕にとってすごく大切なものになっている事。
学祭が終わったらほとんど会うこともなく、年明けにはほとんど登校しなくなる3年生のヒョンに。



返事がほしいわけじゃない。
女子じゃないんだし、・・つき合ってくださいとか、・・考えただけでもひいてしまう。


だから、ねえ、・・伝えるだけなら彼女がいてもいいよね?
別れるのをこっそり待ってる女子達とは違うんだ、って、思いたいだけかもしれないけど。








そうして今日。
課題テストも無事終わり、最初で最後の体育祭全体練習。



9月というのに秋の気配をまったく感じない、うだるような蒸し暑さ。


だらだら流れる汗。
クラクラするほどの日差し。



「チャンミナ?大丈夫か?顔色悪いぞ。」


心配したキュヒョンに覗きこまれて、変な夢を見たから、とは言えず、ニッと頷くだけの僕に、「ゲームのやりすぎだろ?」っておどけてくる。


まあそういう事にしておこう。
あんな夢がバレたらもうキュヒョンの顔を見ることすら出来なくなる。



チームごとに整列した先頭にユノヒョンが微かに見えて。
3年生から順に並んでいく。
1年のクラスでも背の高い僕はかなり後ろの方で、ユノヒョンとの距離に少しだけ寂しくなったり。



長々と続く先生の注意事項。
ジリジリと聞こえてきそうな日差し。
暑くてクラクラしてきた。
朝から何も食べていないからか、空っぽの胃がムカムカしてきて。



ヒヤッと突然背筋に悪寒。
頭が割れるように痛い。



隣のクラスメートが僕に何か話しかけてるけど。


・・ごめん、・・聞こえないよ。



フワッと一瞬、宙に浮いた感覚。
突然の真っ暗闇を最後に僕の意識はぷっつりと途切れた。





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全校生徒の前で倒れちゃったチャンミン。
この後の展開は、・・みなさんのほぼ予想通りです~( ´艸`)



momokoさん《cheering8》前記事コメント欄より♪


「改めて、よろしくね。
────チャンミナ。」

少し前進しましたよ~(//∇//)