~チャンミンside~
遠く、・・遠く、・・微かに聞こえた。
──────チャンミナ!
靄がかかったようにぼやっとした視界。
滲んで揺れる白い壁が次第にくっきりとした形をもって、
「・・保健室?」
そう認識した。
「あ、チャンミナ!気付いた?」
心配そうに覗きこんだのはキュヒョン。
「あ、・・僕?」
頭がガンガンと痛い。
思わず片手で眉間を押さえた。
「無理すんな。・・覚えてる?おまえ、倒れたんだぞ?」
「あ~、うん。急にふわっとして、真っ暗になったような。」
「多分、熱中症。もう昼休みだぜ?本当に寝不足だったんだな。」
保険の先生はちょっと用事で出てっちゃった、と言われ、キュヒョンと2人きり。
ベッドの脇に椅子を引っ張ってきてドカッと座る。
「ごめん、キュヒョンがここまで運んでくれた?」
ん~~?///って、何だか苦笑い。
「僕、すごい迷惑かけたよな?どんな感じだった?・・吐いたりとか、した?」
ああ、・・///とかさ、なんだよ、その煮え切らない態度!
「・・・キュヒョン?」
そんなに言いづらいくらい酷い状態だったのか?と、探るようにゆっくりと名前をよぶ。
「で、・・もう身体の調子はいいのか?」
「少し頭痛がするけど、・・すぐ治まるよ。それで?どうだったのか教えろよ!」
「ん、・・。」
かなり言いにくそうなのが余計に不安を煽るんだけど?
周りに迷惑かけたなら謝らなくちゃいけないし。
おまえにしか聞けないだろ?ってジッと顔を見つめた。
「あのさぁ、ちょっと色々と衝撃的で///。・・お礼言いに行くのは、取りあえず今はやめた方がいいんだけど。」
「・・?」
「え、っと。おまえを運んだのは、・・あの人。」
「・・あの人、って?」
「・・・ユ、ユノヒョン。」
───え?///・・・や、やばい、分かりやすいくらい顔が熱い!
何とかさり気なさを装って、ふーん、とか言ってみるけど、よけい怪しい。
「おまえが倒れて、本当に真っ青だし、意識はねぇし、・・ヤバそうだったわけ。」
「先生達も集まってきたのに、・・や、マジですごかった。///」
「すげぇ速さであの先頭から走ってきて、チャンミナッ!ってさ、・・あんなに焦ったユノヒョンを初めて見たよ。」
───あの遠くに聞こえた声は、・・ユノヒョン?//
何度も何度も僕のなまえをよんだ、──
「で、おまえを保健室まで運ぼうとして、・・おまえデカいじゃん?隣の奴が一緒に肩を貸そうと思ったらしくて手を出したんだよ。
そしたらさ、・・。」
「・・触るなっ!って。」
「マジで格好良かったんだけど、・・周りは唖然としちゃってさ。そのまま、あれ、何てゆーの?お姫さま抱っこ?したと思ったら先生達も放置して保健室行っちゃってさ。」
「俺も慌てて後ろからついてったんだよ。おまえ、すごい汗かいてて、取りあえず氷まくらで冷やしたりしてさ。水分取らせたいのに意識ないし、どうしましょう?ってユノヒョンに水筒渡したんだ。」
「・・で、これは俺と保険の先生しか多分見てないと思うんだけど。」
「って、あれ?チャンミナ?」
ベッドの上で上半身を起こしたまま、ひどい頭痛よりもさらに頭の痛い話に意識が遠くなりそうで。
────覚えている、・・だって夢かと。
遠い意識との狭間でなまえを呼ばれ、
「ほら?水、飲めよ?」
確かに聞こえてくるのに、身体が動かなくて。
焼け付くような喉の渇き。
誰かがスッと頭を持ちあげて、
汗ばんだ肌、そして匂い。
・・あ、でも安心する、これ。
そう思ったところで、・・コクンと。
喉を伝う水。
ああ、・・美味しい。
少しずつ、何度か分け与えられる水の先には、・・柔らかい感触。
これは?
なんだろう、最近同じような感触を経験したことがある。
身体は辛いのになぜか幸せな気分に包まれて、ふわっと意識が消えていった。
「えっと、///・・夢かと。」
ポリポリと頭を掻きながら、困ったように苦笑いのキュヒョン。
「ん~、でさ、・・また女子達がすげぇ騒いでるから。しばらくユノヒョンには近づかない方がいいぞ?お礼なら俺から伝えてやっからさ。」
ズキズキと消えない痛みと共に、ユノヒョンの顔が、そしてソヨンさんの顔が、───いつまでもぐるぐると回っていた。
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おはようございます♪
ユノとチャンミンが日本にいるというだけで嬉しいですね(*^^*)
なんて、こちらは保健室でイチャイチャ?してましたσ(^_^;
momokoさん《cheering9》前記事コメント欄へ!
カリスマ編集長!ボア姉さん登場の巻♪