見えない・見えにくい特性を活かして、
子供たちの才能を引き出す
ロービジョンコーディネーターの
エリカです。
「かわいそう」
視覚的な特性を持つ子どもを育てていると、時々、すれ違いざまに娘たちをじろっと見てくる大人や子供がいます。
「かわいそう」そんな風に思われているんじゃないかって感じることがあります。
例えば、親切心から「大変ね」「どうやって日々過ごしているの?」と聞かれることもあれば、「お子さん、かわいそうね」という言葉がポロッと出てしまう方も。
もちろん、悪気がないのは分かっています。でも正直に言うと、そのたびに私の心の中に小さな波が立つんです。
なぜなら――私の子どもは決して「かわいそう」なんかじゃないからです。
「かわいそう」とは、どういう意味?
少し冷静に考えてみたんです。「かわいそう」って、そもそもどんな状態を指すんだろう?と。
それは、「不幸そうに見える」「大変そうに見える」ということかもしれません。
確かに、視覚特性を持つ子どもは、
周りの子と同じようには見えないかもしれない。
たとえば、黒板を見ることができなかったり、
人ごみの中で迷いやすかったりする。
初めて挑戦することには時間がかかったり、
それを大変だと思う人もいるでしょう。
でも、それが本当に「不幸」なのかと言われれば、
私はそうは思いません。
むしろ、視覚的な特性があるからこそ育まれる力がたくさんあるんです。
視覚特性が育む、特別な力
視覚が使えない分、子どもたちは他の感覚がとても鋭く研ぎ澄まされるんです。
例えば、「聞く力」。
我が子は、私が日常生活で聞き流してしまうような小さな音や会話のニュアンスを敏感にキャッチして教えてくれることがあります。
「ママ今日は疲れてる?」
「ママ、何かいいことあったんだね!」や
「○○の足音が聞こえるから、玄関に誰か来たみたい」と先に気づくことも。
正直、私よりも環境の変化に気づくのが早いんです。
こうした力は、視覚特性を持つからこそ磨かれるもの。
私たち親がその特性に気づいて、強みとして伸ばしてあげることで、子どもはどんどん自信をつけていきます。
「かわいそう」ではなく、「すごいね!」を届けたい
私がいつも願っているのは、
周囲の人たちに「かわいそう」ではなく
「すごいね!」という言葉をかけてもらえる環境です。
例えば、視覚特性があっても自分の力で行動し、
自分で成長している姿を見て、
「こんなこともできるんだ!」と驚いてほしい。
そのためには、親である私たちがまず特性をポジティブに捉え、子どもの可能性を信じて応援する姿勢が大切なんだって思うんです!
一緒に考えてみませんか?
この記事を読んで、
「特性って可能性なんだ」と少しでも気づいていただけたら嬉しいです。
視覚特性を持つ子どもたちには、
私たちがまだ気づいていない素晴らしい力がたくさん眠っています。
次回は、その「力」をどうやって強みに変えるのかについて、実際の体験をもとにお話します。
子どもたちが輝く未来を一緒に考えていきましょう!