視覚障がい児の成長を促す“待つ育児”のすすめ」 | 視覚障がいのあるママによる、二人の視覚障がい児ちゃんの子育てブログ♡

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視覚障がい児ちゃんの子育てエッセイ。実際にあったこと、感じたことなど。視覚障がい児ちゃんをとりまく環境を綴っています。

こんにちは


今日は「かわいい我が子に手をかけすぎていませんか?視覚障がい児の成長に必要な“待つ育児”とは」というテーマでお話しします。


見えない、見えづらいお子さんを育てる中で、

「手をかけすぎること」が

成長のチャンスを奪うことがある、

なんて驚きですよね。


でも、そこには大切な理由があるんです。




この記事では、なぜ視覚障がい児に

「手をかけすぎない育児」が必要なのか、

その理由とポイントをお伝えします。




脳の発達と感覚の重要性


まずはこのグラフを見てください。


[脳の発育グラフ]



                                                                出典 伸芽会hp



脳は3歳で成人の約70%、

6歳で約90%成長します。

この時期に五感をフル活用した体験を積むことが、脳の神経系を発達させ、

空間認知能力を育むカギとなります。




空間認知能力とは?


視覚障がい児は、

視覚以外の感覚(触覚、聴覚、嗅覚など)を頼りにして、周囲の状況や物との距離を把握します。


この能力を育てることで、自立や生活の幅が広がり、将来的な可能性を大きく引き出します。





手をかけすぎる育児が与える影響


かわいい我が子に不自由を感じてほしくない、

そう思うのは当然のことです。

でも、こんな経験ありませんか?


おもちゃを手渡ししてしまう。

靴や洋服をすぐに着せてしまう。

探し物を代わりにしてあげる。



これらを繰り返すことで、触覚や聴覚を使った探索の機会が減り、感覚の発達が遅れる可能性があります。




手をかけすぎない育児のポイント


1. 安全な探索スペースを用意する


お子さんが自由に動き回れる環境を作ることで、「自分でやってみる」経験を促します。

興味を持ったものに手を伸ばし、自分のペースで触れる体験が、感覚を育む第一歩です。



2. 「やってみる」時間を大切に


すぐに手伝わず、「どうしたらできるかな?」と問いかけてみましょう。

失敗をしても「大丈夫だよ、次はどうする?」と声をかけ、一緒に考えるプロセスを楽しんでください。


3. 過剰に先回りしない


必要以上に手を出さず、子どもの「できる力」を信じて見守ることが重要です。

失敗や挑戦は成長のチャンスです。





お母さん自身の負担を軽減するために


「手をかけること」は愛情の表現のひとつですが、それだけが全てではありません。

お子さんが少しずつ自分でできることが増えれば、お母さんの負担も自然と減り、心に余裕が生まれます。

その余裕が、さらに良いサポートにつながります。






視覚障がい児の育児において、

「手をかけない」ことは、

お子さんの成長を信じること。

今の小さな積み重ねが、

未来の大きな力になります。




次回の記事では、

具体的に「触覚」「聴覚」を鍛える遊びや、日常の中で取り入れられる簡単な工夫をご紹介します。

お楽しみに!



エリカ