この学校の方針は、ペタゴーの考え方に基づいていて、
ここにいるのがうれしい、勉強するのがうれしい、
と子供たちが感じる学校であることをモットーにしている。
ペタゴーというのは、日本にはない職種で「生活支援員」と訳される。
知識を教えること以外の「コミュニケーションを通して生活をする上での支援や教育をしていく人。
デンマークの教育の肝は、この職種なんじゃないかな?と私は思っている。
そのためには、信頼と安心感が大切。
生徒同士、生徒と先生、どの関係にも。
子どもたちの絵。どれもこれも、その子その子の味がある。
そして、教育の目標は、
・自分の才能を表せるようにする
・自分の意見を言えるようにする
・自己肯定感を感じられるようにする
それを、子ども達自身が努力することを支援されている。
自分でつかみにいってね!ってこと。
これを達成するために、先生たちがクラスを考えるコンセプトは4つ
1 知識的
2 社会的
3 感情的
4 クリエイティブ
1 知識的
9年生の卒業試験を受けられる知識を身に着けること。
意外にも好きなことばっかり学んでればOK、って感じではないけど、必要なことを興味が持てるように教えることが大事、っていう印象だった。好奇心を刺激するしかけが、授業内にたくさんしてある。
2. 社会的
0~2年生(6~8才) 他人の意見を聞く、我慢する
3~5年生(9~11才) 民主主義の勉強 60人みんなで毎週ミーティングを行い、全員で決める
6~9年生(12才~15才) 自己責任を学ぶ 例えば、さぼっている人などの対応を話し合って解決するなど、社会に出て、多様な人と前向きにコミュニケーションをとる方法を学ぶ
議論のベースはこうして培われる。
自分の意見を持ち、表明する練習を日々行っているのだ。
3 感情的
気持ちがよくなければ、学ぶことは不可能。
問題が起きたら、その日にどんな予定があろうと、まずはそこを解決する。
その子が家族の中でどのように関わっているのかも、学校側でも知っておく。
たとえば、家庭から、家族内でけんかした、などの連絡が入ったら、本人には
「何かサポートが必要だったら言ってね。言いたくなかったら言わなくてもOK。でもヘルプが必要なら大人がいるよ」と伝えるなど。
とにかく、まずはメンタルを整える。それができていなかったら勉強なんてできない、というスタンス。
自分を大切に、っていう基礎が、ここで培われている。
4 クリエイテビティ
「やっている人は学ぶ人」をモットーに、授業は体験を大事にする。
聞いているだけじゃなくて、積極的に関われる授業。
子どもは本来学ぶことが好きだから、好奇心を刺激して学びたくなるしかけをどんどんつくる。
わくわく感が大事。
だから、すべての授業は学校内で行わなくてもOK。
環境が変わることは、それを支える大きなサポートになる。
年に1回、3泊の宿泊体験を行ったり、その際に海外に行くこともあるのだそう。
また、なぜ教えてもらっているか、なぜ学んでいるかを子どもに教える必要がある。
子どもが勉強することに対してどう思っているか、どう感じているか、を聞く。
いろいろな質問を投げかけ、子どもが納得して学べるように、子どもが自分で考えて学べるように、とにかく対話する。
レクチャーの後は、授業を見学。
わたしは0-2年生のクラスをみせてもらった。
体育の授業。
このクラスでは、みながドッジボールをしているかたわら、すみっこで瞑想をしてる子がいた。
その時間にカリキュラムと違うことがしたい場合は、先生と会話して、今はこれがしたい、を優先する。
アートのクラス。
音楽の授業。
授業に関しては、私はこどもたちかわいいなーっていう感想しかなかったんだけど、
同じツアーに参加したまゆさんのフリースコーレの感想をご紹介。
まゆさんは、教育者視点での感想がたくさんあって、とっても勉強になる。
フリースコーレはこんな感じで終了。
とにかく、対話大事!!
メンタルケア大事!!
子どもの話を聞こう!
っていう学校でした。