少しの刺激を心地良く味わっていたら
ある瞬間、それはチラチラと
優しい炎になった。
それがしばらく続いて、
少しずつ少しずつ小さな炎は広がり、
そしてふと見渡すと、辺り一面に
ゆっくりと大きな炎が立ち上がった。
気がついた時には、もう完全に
燃えさかっていた。
向こう側は、見えたり見えなかったり。
勢いを増せば増すほど、灰も舞う。
少し咽せ返りながら、それでも炎は続く。
なぜこんなに燃えるのか。
しばし冷静に見つめ直してみたり、
はたまたその赤の種類に見惚れてみたり、
熱くて嫌になったりしながら
それでも炎は延々と続く。
いつかこの炎は消えるのだろうか。
それともカタチを変えて燃え続けるのだろうか。
あらゆる行方を想像しながら
ぼんやり炎を見つめる。
暖かいを通り越したそれは、
さらに熱いの域を越えて、わたしは
ジリジリ焦がされる。
この炎にわたしの全てを投じたら、
わたしは消えてなくなるのか。
それとも炎そのものになるのか。
それとも…それとも…。
なんてことを長く繰り返していたら、
わたしは固体を保てなくなって、
ついには溶けてなくなってしまった。
そうか、果ては溶けてなくなるのか…
と、気がついた瞬間、わたしはまた誕生した。
身を焦がすほどの想いに、
人生で何度、出逢えるのだろう。
ベッドの側で、チラチラ揺れる
ロウソクの炎を見つめながら、
そんなことを考える夜は嫌いじゃない。
今夜は冷えるから、うんと暖かくして眠ろう。
ロウソクの炎はまだ消えそうにない。