10月14日(土)。
翌日の『北九ジャズストリート』に出演するため、
名古屋から新幹線で、初めての北九州・小倉へ。
この日から5日間、九州の旅の始まりです。
そしてこの日の夜は、絶対に行こうと決めていたジャズバー
『ジャズストリート52(フィフティセカンド)』へ行って参りました。
今回のイベントの関係で、偶然出逢えたクロスFMの阿部純子さん。
私自身ぺーぺー中のペーペーとは言え、ジャズに関わっているのにお恥ずかしながら、、、
純子さんのおかげで、52(フィフティセカンド)のことを知ることができました。
(純子さん、ありがとうございます!)
聞けば、創業55年を超える老舗中の老舗ジャズバー。
オーナーの林直樹マスターは、私の師匠・中本マリさんとも
50年以上のお付き合いがあるお方ということが判明。
これは、小倉に着いたら、まずご挨拶に行かなければ!と。
場所を調べた際、Googleマップでの口コミには一部辛辣なご意見もあり、
どうやらマスターは相当に無愛想な方のご様子。
ドキドキしながら、いざ、ジャズストリート52(フィフティセカンド)へ!
19時台と早い時間に伺ったので、店内にはマスターらしき方がお一人。
カウンター席はご予約があるとのことで、ボックス席にご案内され、
オーダーしたウィスキーが運ばれてきた時に、思い切ってご挨拶をしました。
中本マリさんの弟子であること。
純子さんからお聞きしてきたこと。
明日、北九州で初めて演奏させていただくこと。
まずは、ここに来たい!との思いであったこと。
そうこうしている内に、ポツリ、ポツリ、と常連さんがご来店。
聞けばその内のお一人は、45年以上も毎週!ここに通っていらっしゃるとのこと。
後でわかったのですが、林さんは、そういう方々のために、特に土曜日は
スピーカーの真前のカウンター席を、予約席として守っていらっしゃったのです。
もう、愛しか感じません。
初めて伺った私などは、30年くらいはボックス席で充分です!
新顔の我々に、少しづつ常連さん方が話しかけてくださり
店内は徐々にアットホームな雰囲気に。^^(よかった!)
その間も、林さんセレクトの貴重なレコード達の音が、丁寧に繋がれていき
もう、どれも、素晴らしい音!!素晴らしい音質!!
もう、どんなライブよりもライブです!!
これは、体感しないとわからないです!!
(↑下線部分、3回は繰り返してお読みください。)
45年通っていらっしゃる常連さん曰く、
「ここに来ると、毎回知らないアルバムが聴けるんですよ。」
「今、かかってるものも、私の記憶が正しければ初めての曲です。」とニッコリ。
45年、毎週通っていらっしゃる方が!!
毎回、知らない曲を聴ける場所!!
しかも、手に入れようのない貴重なレコードばかり!!
(↑下線部分、3回は繰り返してお読みください。)
後で知るのですが、林さんは特別なルートでヨーロッパ版の
レコードも多く持っていらっしゃるとのこと。
そして、常連さんにどのレコードをかけたかを覚えていらっしゃって、
基本的に、毎回違うレコードを選ばれているとのこと。
なんなのですか。
こんな愛の形があったのですか。
もう、愛でしかない。
もう、私は感動の極み。感動感激感謝、大爆発。
好きです、52。愛してます、52。林さーーーん!! (> <)♡♡♡!!状態に。
林さんからは他にも、
ビル・エヴァンスとのお話や、
日本のジャズシーン、特に九州に欠かせない
福岡コンボの有田さん・鹿児島パノニカの中山さん・大分の徳丸さんのお話や
お師匠であられるという新宿DIG(現DUG)の中平穂積さんのお話、
日野皓正さんや、山下洋輔さんとのお話、
愛知県岡崎のドクター・内田修さんのお話、
私の師匠・中本マリさんとのお話、などなどもお聞きできました。
至福の時間。
その後、常連さんの方々は次々にお帰りになられ、それでも名残惜しくて
我々はしばらく居座ってしまったのですが、いい加減帰らなければ、、と
23時過ぎに、泣く泣くお店を出ました。
最後は、優しい笑顔のマスター林さんとガッチリ握手をさせていただき、
宿泊先の部屋へ。
林さんは、御歳81歳になられるとのこと。
あぁ。林さんのような方々がいらっしゃって、日本のジャズシーンが
創られ、そして支えられてきたのだなぁ。
来る日も来る日も、ここで、最高のレコードをかけながら
ジャズへの、音楽への愛を貫いていらっしゃるお姿を想像すると
その長い長い年月に、言葉にならない熱いものが込み上げてきます。
こんなにも、音楽への愛に溢れた素敵な場所を55年以上も
守り続けて来てくださっていること。
心の底から、お腹の底から、感謝と敬意を捧げます。
音楽を愛する方、ジャズを愛する方で、まだ52へ行かれたことのない方は、
お近くの方も、遠方の方もぜひ!!
『ジャズストリート52(フィフティセカンド)』という歴史を味わいに
お店に行ってみてください。
私が小倉に住んでたら、入り浸ってただろうなぁ。
私もスキアラバ!名古屋から小倉に、52に、また伺います!^^
九州の旅はこうして、大感動の1日を終えました。
何度思い出しても、幸せな夜です。
若かりし日の、林さんとエヴァンス。