前世療法では「一番大事なこと」が出ます。
でもその一番大事なことが、
「一番見たくないこと」の場合もあります。
N子さん(60代・主婦)は
なかなか前世が出てきません。
著書『セルフ前世療法』の9章、
「前世が見えない原因と対策」に
列挙しているように、いろいろと
理由があって出て来ないです。
そのような場合は、
「現世の大事な場面」を見に行く
退行催眠に切り替えることをよくやります。
出てきたのは小学校時代の楽しい思い出。
楽しい思い出が「一番大事な場面」
のこともよくあります。
失われた、忘れていた、本来の自分の
輝きを取り戻すことが一番大事、
というケースも多いからです。
でもあれこれ質疑応答して確かめても
どうもN子さんはピンときていないようです。
ということは、これが「一番大事」
なポイントではないということです。
「その頃、何か大きな出来事か、
あるいはいつもそうだった、という状態は
何か思い当たりませんか?」と聞くと、
目をつぶって顔をしかめて
「ああ、すごく嫌です、思い出したくない」
と呻(うめ)き始めました。
(画像はロケットニュース24「【裏技】警視庁の固い瓶のフタを開ける方法」よりお借りしました)
「嫌だったら、やめてもいいですよ、
無理しないでいいですよ」と声をかけながら
待っていると、とても辛かった、
誰にも話せなかったことを
ぽつりぽつりと話し始めました。
前半は、前世をいくら誘導しても出ない。
その次は、子供時代をいくら見ても
大事なポイントにピンと来ない。
「前世が見えない原因」の中で、p.226
「トラウマが強いと自分では見えない」
の典型的なケースでした。
N子さんは
「誰かに話すことができたら楽だった」
「自分は悪くないと誰かに言ってほしかった」
「安心できる大人に守ってもらいたかった」
と語り、今、60代になって、
初めてそれができたことに
熱い涙をたくさん流し、
深い満足感を感じていました。
一番見たくないことは、
一番見た方がいいこと。
見たら一番心が晴れること。
「前世が見えない」という現象は、
そんなことも伝えてくれます。