ドロドロの過去世です。orz
ボコボコに殴られながら思うのは、
運命の恋人のことではありませんでした。
悟りにも近い赦し、相手の為を思う自己犠牲の愛…
と書きましたが、正確に言うと、
「もうどうでもいい」という自暴自棄にも近かったのかも。
だってね、「捨てられた」ようなものですから。
想うのは、流行病(はやりやまい)で先立たれた夫のことでした。
そもそも、夫婦仲は良かったようです。
小さな閉じた農村共同体。
夫は、幼な馴染み。
仲の良かった兄の友達でした。
名前は「与平」さん。
子供の頃から仲良しで、
年頃になって妻(めあわ)せられて。
気が合って、子供を持って。
ロマンティックな恋愛とは全く違う、
平凡だけれども幸せな夫婦。
思い出すのは与平さんとの
楽しい過去ばかりです。
死別ですから、夫を裏切ったわけではありません。
でも、激しい色恋に溺れていた時には忘れていた、
しみじみした夫婦の情愛の方がよかったな、
亡くなった与平さんに対し申し訳なかったな、と思えるのです。
（つづく）
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