9話『彼女の存在』
11月11日(火曜日)
午前5時08分
(ピピピ…♪)
おそらく、大からであろう受信音を… 私は
まだ 薄暗い部屋の中の
布団の中で、聞いていました。
ここの所おかしい体調は、私の眠りを、ことごとく奪ってゆきます。
(良く 考えて見れば…前々から 食欲は 徐々に落ちはじめていた。)
と言う 事実が 尚更、私を不安にさせていました。
ゆっくりと、布団の中から片手を伸ばし、携帯を開くと…
やはり、先程の受信音は、大からのものでした。
大「おはよう!体調はどないや?良くなったか?」
彩香「おはよう!心配してくれて、有り難う!大分良くなったよ… 」
(嘘には もう慣れっこです…)
大からのメールに、 そう書き、送信ボタンを押すと…
私は、「せーの!!」と言うかけ声と共に、布団を勢いよく(バサッ)っと、まくり上げました。
睡眠不足のせいなのか?キッチンに向かう足元が、少しフラつきます…
けれど…胃の中に何も無いせいか!? 昨日から続いた胸のムカつきと、吐き気は、(ピタリ)と止まっていました。
(このまま、何事も無く 良くなってくれれば、良いのだけれど…)
そんな事を思いながら、朝食の、準備をしていると…
(ピピピ…♪)
「ほな、会社行ってきます!」
と、大からメールが…
私は、いつもの様に(ニッコリ)
と 微笑んでから…
「行ってらっしゃい!気をつけてね!」
と、打ち、送信ボタンを押しました。
夕方になり・・・
仕事を、無事終え
帰宅をすると、私は 夕食の準備をしながら…
携帯から 流れる ♪この空の下にいて… を聴いていました。
(本当に、何度聴いても心にしみる歌です…)
特に、私は…
♪ 心が、どしゃ降りだっ
た 雨の日に…
貴方は…雨雲の中から光を
くれた…
契れた雲の間から差し込む
光は… 心の水溜まりを
優しく照らす…
貴方が居なければ…
微笑む事も無かった… ♪
と、言う所の歌詞が、とても大好きです。
宏樹との結婚生活に敗れ…
仕事場では、人間関係に
馴染めず…
私の心には… 『寂しさ』
と言う 雨が… いつも
降り続いていました。
夜が…寂しくて…
切なくて…
けれど…大が、そんな私に
光をくれた…
・・・そんな
そんな気がして、ならないのです。
それが…例え…
私に差し込んだ、光では無くても…
午前5時08分
(ピピピ…♪)
おそらく、大からであろう受信音を… 私は
まだ 薄暗い部屋の中の
布団の中で、聞いていました。
ここの所おかしい体調は、私の眠りを、ことごとく奪ってゆきます。
(良く 考えて見れば…前々から 食欲は 徐々に落ちはじめていた。)
と言う 事実が 尚更、私を不安にさせていました。
ゆっくりと、布団の中から片手を伸ばし、携帯を開くと…
やはり、先程の受信音は、大からのものでした。
大「おはよう!体調はどないや?良くなったか?」
彩香「おはよう!心配してくれて、有り難う!大分良くなったよ… 」
(嘘には もう慣れっこです…)
大からのメールに、 そう書き、送信ボタンを押すと…
私は、「せーの!!」と言うかけ声と共に、布団を勢いよく(バサッ)っと、まくり上げました。
睡眠不足のせいなのか?キッチンに向かう足元が、少しフラつきます…
けれど…胃の中に何も無いせいか!? 昨日から続いた胸のムカつきと、吐き気は、(ピタリ)と止まっていました。
(このまま、何事も無く 良くなってくれれば、良いのだけれど…)
そんな事を思いながら、朝食の、準備をしていると…
(ピピピ…♪)
「ほな、会社行ってきます!」
と、大からメールが…
私は、いつもの様に(ニッコリ)
と 微笑んでから…
「行ってらっしゃい!気をつけてね!」
と、打ち、送信ボタンを押しました。
夕方になり・・・
仕事を、無事終え
帰宅をすると、私は 夕食の準備をしながら…
携帯から 流れる ♪この空の下にいて… を聴いていました。
(本当に、何度聴いても心にしみる歌です…)
特に、私は…
♪ 心が、どしゃ降りだっ
た 雨の日に…
貴方は…雨雲の中から光を
くれた…
契れた雲の間から差し込む
光は… 心の水溜まりを
優しく照らす…
貴方が居なければ…
微笑む事も無かった… ♪
と、言う所の歌詞が、とても大好きです。
宏樹との結婚生活に敗れ…
仕事場では、人間関係に
馴染めず…
私の心には… 『寂しさ』
と言う 雨が… いつも
降り続いていました。
夜が…寂しくて…
切なくて…
けれど…大が、そんな私に
光をくれた…
・・・そんな
そんな気がして、ならないのです。
それが…例え…
私に差し込んだ、光では無くても…
9話『彼女の存在』
2人が 夕食を食べている間
私は 1人 奥の部屋の布団で横になり…
言い知れない不安と 戦っていました。
すると…
(ピピピ…♪)
食事を済ませた、大から、メールが…
「彩香…なんや、今ふと 思ってねんけど… お前
具合 悪いと 違うか?」
「えっ!?」
思いがけない、突然の確信を、ついたメールに
私は 驚いて!彼からのメールを見詰めたまま、布団から飛び起きました。
(何で!?見えてるの!?)
慌てて 「何故!?そんな事聞くの?」と 送信すると
大「ん?なんでやろ?
何となく…そう 思ってん」
と、返信…
(うそぉ~)
そう思い、私が まじまじ携帯の、表裏を覗き込んでいると…
大から…
「おい!ほんま 大丈夫なんか?」
と、メールが来たので…
私は 「大丈夫…元気だよ!」と 送信したのですが
「空…見て?」と返って来たので…
(空…?)
カーテンを開けて、空を見上げると…
今日は…薄く、長い雲が広がる、三日月の夜でした。
(ピピピ…♪)
すると、大から!?
「三日月に隠し事は でけへんで!今日は…はよ、寝とき… 返信は 許さへんで!!」
と、メールが 届きました。
「大!?」
(何て事でしょう!!)
彼は、メールだけで、私の『異変』を確信したのです!!!!
姿の見えないメール…
でも、 相手を想う気持ちがあれば…
時には 以心伝心をしたりするのでしょうか?
「だ…い」
私は…再び、三日月の夜空を見上げ…
先程の「三日月に、隠し事は出来ない!」
と言う 彼の言葉を思い出し…
そして…心の中で 呟きました。
(私にも 貴方が、分かればいいのに… 貴方の事をもっと、知りたい!!)
やはり、貴方を想うと
涙が 一滴 頬を伝います…
この 夜空は 貴方のいる 大阪まで、続いている…
本当は…貴方の全てを知りたい…
そして… 許されるのなら
貴方に 会いたい…
…………大…
私は 1人 奥の部屋の布団で横になり…
言い知れない不安と 戦っていました。
すると…
(ピピピ…♪)
食事を済ませた、大から、メールが…
「彩香…なんや、今ふと 思ってねんけど… お前
具合 悪いと 違うか?」
「えっ!?」
思いがけない、突然の確信を、ついたメールに
私は 驚いて!彼からのメールを見詰めたまま、布団から飛び起きました。
(何で!?見えてるの!?)
慌てて 「何故!?そんな事聞くの?」と 送信すると
大「ん?なんでやろ?
何となく…そう 思ってん」
と、返信…
(うそぉ~)
そう思い、私が まじまじ携帯の、表裏を覗き込んでいると…
大から…
「おい!ほんま 大丈夫なんか?」
と、メールが来たので…
私は 「大丈夫…元気だよ!」と 送信したのですが
「空…見て?」と返って来たので…
(空…?)
カーテンを開けて、空を見上げると…
今日は…薄く、長い雲が広がる、三日月の夜でした。
(ピピピ…♪)
すると、大から!?
「三日月に隠し事は でけへんで!今日は…はよ、寝とき… 返信は 許さへんで!!」
と、メールが 届きました。
「大!?」
(何て事でしょう!!)
彼は、メールだけで、私の『異変』を確信したのです!!!!
姿の見えないメール…
でも、 相手を想う気持ちがあれば…
時には 以心伝心をしたりするのでしょうか?
「だ…い」
私は…再び、三日月の夜空を見上げ…
先程の「三日月に、隠し事は出来ない!」
と言う 彼の言葉を思い出し…
そして…心の中で 呟きました。
(私にも 貴方が、分かればいいのに… 貴方の事をもっと、知りたい!!)
やはり、貴方を想うと
涙が 一滴 頬を伝います…
この 夜空は 貴方のいる 大阪まで、続いている…
本当は…貴方の全てを知りたい…
そして… 許されるのなら
貴方に 会いたい…
…………大…
9話『彼女の存在』
「うっ げぇ~!!」
しかし、いくら吐いても 出てくるのは、水だけです
いくら、つわりの様な
吐き気でも そんな行為すら無い私に 妊娠などと言う可能性は、 全く有りません
(では? 病気? でもなんの…病気?)
「……」何となく、頭をよぎる…嫌な予感に
全身に 恐怖感にも似た
緊張が、走り抜けます…
再び、口をタオルで拭い
少し、ふらつきながら キッチンに戻ると
私は ダイニングテーブルの上の携帯を、再び手に持ち…
(カチャッ)
ディスプレイを開きました。
大から、メールが入っています…
「どうしたんや~?彩香 まだ、仕事かぁ~?」
「うっ…」
私は…まだ止まらない吐き気に タオルで (ギュッ)っと口を押さえると…
「ごめん…今 お風呂入ってたの…」
と、 書き 送信しました。
すると!?
(ピピピ…♪)
直ぐ、彼から返信…
「何時もの時間にメールが無いと、なんや 落ち着かへんようになってしもたわ~ 」
「だい…」
タオルで キツく押さえた口元から、思わず、笑みが零れ出します。
「ごめんね…大 ご飯まだでしょ? 食べて来たら…」
そう 送信すると…
「ほな、飯食ってくるわ」
と…大から、返信…
私は 大からの返信を見ると同時に 再び 襲ってきた吐き気と 共に、洗面所に駆け込みました。
「んっ ぐぅ~!! げぇ~!!」
「ハァハァ…」
便座に両手をつき、肩で 大きく 息を吐く私…
(本当に…普通じゃない!!)
タオルを片手に 洗面所から出ると!?
そこには、心配そうに 私を見上げる、まなとりんの姿が、ありました。
妹のりんは、私の姿に 不安を感じたのか!?
姉のまなに、しがみつき 半泣き状態です…
「ママ…何処か、具合悪いの?」
まなが、今にも 消え入りそうな、か細い声で 私に問いかけたので…
思わず、私は まなとりんを (ギュッ)っと 抱き締め…
「大丈夫だよ!ちょっと横になれば、治っちゃうからね~心配しないで!!」
と、明るく言うと…
2人が、なるべく安心する様に 笑顔を作りました。
そして、更に安心する様に
2人の頭を 軽く(ポンポン)
と 、叩くと 「そんな事より早く、ご飯食べちゃいなさい!!」
と、 言い ピースサインをして見せた。
しかし、いくら吐いても 出てくるのは、水だけです
いくら、つわりの様な
吐き気でも そんな行為すら無い私に 妊娠などと言う可能性は、 全く有りません
(では? 病気? でもなんの…病気?)
「……」何となく、頭をよぎる…嫌な予感に
全身に 恐怖感にも似た
緊張が、走り抜けます…
再び、口をタオルで拭い
少し、ふらつきながら キッチンに戻ると
私は ダイニングテーブルの上の携帯を、再び手に持ち…
(カチャッ)
ディスプレイを開きました。
大から、メールが入っています…
「どうしたんや~?彩香 まだ、仕事かぁ~?」
「うっ…」
私は…まだ止まらない吐き気に タオルで (ギュッ)っと口を押さえると…
「ごめん…今 お風呂入ってたの…」
と、 書き 送信しました。
すると!?
(ピピピ…♪)
直ぐ、彼から返信…
「何時もの時間にメールが無いと、なんや 落ち着かへんようになってしもたわ~ 」
「だい…」
タオルで キツく押さえた口元から、思わず、笑みが零れ出します。
「ごめんね…大 ご飯まだでしょ? 食べて来たら…」
そう 送信すると…
「ほな、飯食ってくるわ」
と…大から、返信…
私は 大からの返信を見ると同時に 再び 襲ってきた吐き気と 共に、洗面所に駆け込みました。
「んっ ぐぅ~!! げぇ~!!」
「ハァハァ…」
便座に両手をつき、肩で 大きく 息を吐く私…
(本当に…普通じゃない!!)
タオルを片手に 洗面所から出ると!?
そこには、心配そうに 私を見上げる、まなとりんの姿が、ありました。
妹のりんは、私の姿に 不安を感じたのか!?
姉のまなに、しがみつき 半泣き状態です…
「ママ…何処か、具合悪いの?」
まなが、今にも 消え入りそうな、か細い声で 私に問いかけたので…
思わず、私は まなとりんを (ギュッ)っと 抱き締め…
「大丈夫だよ!ちょっと横になれば、治っちゃうからね~心配しないで!!」
と、明るく言うと…
2人が、なるべく安心する様に 笑顔を作りました。
そして、更に安心する様に
2人の頭を 軽く(ポンポン)
と 、叩くと 「そんな事より早く、ご飯食べちゃいなさい!!」
と、 言い ピースサインをして見せた。