6月になり「そろそろ志望校を考えろよ」と
言われている生徒さんたちが多くなっています。
この時期になるたびに、本当に不思議な気持ちになります。
以前、高校受験の生徒さんで、こんなことがありました。
内申は、32。(9教科45点満点)
模試を受けた偏差値は50。
学校の先生に、「どの辺の高校に行けますか?」と質問したところ、
「○○高校だね。(偏差値50の高校)」との返事。
これを聞いた、お母様が、私のところに来てくれました。
タイミング的には、中3の4月だったかなあと。
お母様の言い分によると、
「だったら、志望校調査は要らない。」
そりゃそうですね。文字通り、あてはめただけ。
で、近所の超有名進学塾に行ったそうです。
そしたら、お返事は、「○○高校の一択ですね。」
(学校の先生と同じ学校)
塾でお金をとって、現状と同じ学校に進学するなら、
塾に通う必要はない。
志望校調査も不愉快極まりないと。
で、学校の先生と、その塾の先生を、
ぎゃふんと言わせてやると、うちの塾に通ってくれたのです。
(ぎゃふんって死語ですかね。。。)
で、10ヶ月。勉強を一緒にしていった訳ですが、
本当に勉強が楽しそうになったのは、夏休み。
偏差値が65を超えた頃でした。
本人曰く、こんなに簡単にできるようになるとは。と。
といっても、出来るようになったのは、
国語と数学と英語。
理科、社会は暗記が絶対なので、
勉強時間に比例してしまいます。
ところが、上記3科目は、こつさえつかめれば何とでもなるんです。
先生の相性もあるとは思います。
結果、偏差値70で、相応の私立高校に進学しました。
この話は5年前の話です。
彼は、現在、歯学部に通って、歯医者を目指しています。
ちなみに、彼の受験の最後は、ちょっと笑ってしまいました。
第一志望の偏差値70の私立に受かった後、
何をおもったか、「県立のトップ校を受ける!」というのです。
これは、ちょっと。。。
でも、本人の熱意に押されて、急遽、理科と社会の対策を始めました。
トップ校の受験から帰ってきたときに、彼は、
「どうしても県立トップ校に行きたかった。」
「受験生の雰囲気が全然違った。」
「あの中で勉強したら、僕も変われたかも。」
と言ったそうです。
お母様には喜んでもらえました。
あと、少し、勉強を早く始めていれば。。。
結果、さきほど書いたとおり、歯学部ですから、十分かと。
まあ、何が言いたいかというと、
子どもの限界を決めているのは大人たちです。
塾の先生です。
春先に高い目標を掲げて、偏差値に合わせて目標を下げてくるのは、
受験ではないです。
この時期に基本を抑えた勉強をして、秋以降の飛躍に期待する。
秋以降に伸びることを楽しみに、
今は、頭に肥料をあげて、水をまいて、
知識の木を育てる時期だと思います。
絶対に、希望をもって、勉強する方が楽しいに決まってます。
受験生の皆さん。
こう考えて、1年間の受験勉強を乗り越えていきましょう!