山陽新聞清流より | 青少年自立支援 「しっぽ」の会

青少年自立支援 「しっぽ」の会

岡山県津山市で こもり人の
主に16歳から30歳までの子どもや若者を対象に サポートしてる会です。

匿名性がない環境の中で自分らしさを保つことは、都心部で自分らしさを保つよりもはるかにハードルが高いです。多数が同じ意見の中で、見え方が異なったり、それを声にして発信したりすることは、大きなエネルギーを使います。「これが正しい」という多数の思いが「あなたにとってもそれが幸せだよ」という善意として発信されると、傷ついてしまう人がでるのではないでしょうか。

 

忘れもしないエピソードがあります。もと不登校の子のお母さんの話です。「小学生の時に、運動会の練習がつらいと、学校に行きたがらなくなり、心配して先生に相談したら『子どもさんを甘やかしたら、この先、怠ける子になりますよ。親として連れてきてください。』と言われました。先生が言うのなら、そうしなきゃいけないのかと思い、つらい表情の子どもを無理やり学校に連れて行きました。それしか方法がないと思っていました。そのまま中学も無理をさせていたせいだと思います。高校に行けなくなり、生きるのが苦しいと言いだし、病院に連れて行ってほしいとの言葉で、ハッと目が覚めたんです。」勇気を出してお話してくださった日を、今も対sつに覚えています。

 

他のお母さんからも、子どもを車で学校に連れていくと、先生たちが取り囲み、みんなで引っ張り出したとの体験談を聞きました。「そうしないと先生たちに申し訳ないと思ったんです。」とのことでした。先生にとっては良かれと思っての行動だったようですが、複数の子どもが「あれが怖くて学校に行きたくない気持ちが強くなった」とも話していました。

 

大人が「良かれ」と思うことほど、注意が必要だと感じます。子供はそれを望んでいるのか?子どもの安心・安全、1人の人間としての人権が守られているのか?私はこれをいつも心に置いて活動するようにしています。

 

 

(株式会社ココロの保健室代表取締役、NPO法人LINK

HEARTSCHOOL代表理事・高橋智世)