5つのホラー短編集。
と言うか、最後の「八月の天変地異」はホラーじゃないかな?
ホラーは久しぶりで、去年の夏に「儚い羊たちの祝宴」、
「火のないところに煙は」を読んで以来でしょうか。
収録されているのは
・踊り場の花子
・ブランコをこぐ足
・おとうさん、したいがあるよ
・ふちなしのかがみ
・八月の天変地異
中でも「おとうさん、したいがあるよ」は突出して気持ち悪かったです。
認知症の祖母の家に、両親と共に私は毎週末掃除しに行く度に死体がゴロゴロ出てきます。
でも死体が出たことは両親は忘れてしまう。
というか記憶から消えてしまう?
なんだかぼんやりと、恐怖が襲ってくる感じが怖かったです。
「八月の天変地異」は小学五年生の少年ががついた小さな嘘に登場する
ヒーロー的な友達が現実に現れるというもの。
ホラーと言うより、一夏の思い出と言う感じで読後感が良かったです。
最後の短編の読後感が良かったからなのか、
一冊通しての印象はホラー小説を読んだ後の怖さをさほど感じませんでした。
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本の紹介[Amazonより]
著者:辻村深月
冬也に一目惚れした香奈子は、恋の行方を知りたくて禁断の占いに手を出してしまう。鏡の前に蝋燭を並べ、向こうを見ると――子どもの頃、誰もが覗き込んだ異界への扉を、青春ミステリの旗手が鮮やかに描く。
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