去年の夏くらいから、自分の中でお気に入りの作家さんになった米澤穂信さん。
その米澤さんの作品の中で初めて読んだのがこの満願でした。
今回はその再読です。
全6編の短編集。
・夜警
・死人宿
・柘榴
・万灯
・関守
・満願
短編とは言え、どれも読み応えのある作品たちでした。
全体的に暗いタッチで書かれていて、
初めて読んだ時はただただ「暗いなぁ」
という印象しかなかったです。
でも今回読んでみて、それぞれの短編が
なぜかとても読みやすく感じました。
読書力が上がったのでしょうか(*`艸´)ウシシシ
中でも「関守」が個人的には好きです。
一人のライターが都市伝説を探してとあるドライブインに
たどり着きます。
そのドライブインを商う老婆、一見なんともない老婆なのに
都市伝説の話のネタを聞き出そうとすると徐々に
怖い展開に。。。
1つの悪事を隠すために次々と人を殺していった
ドライブインの老女の語り口がなんだかリアルに感じられました。
また、「関守」の中で
「ブティックの試着室に入ると誘拐される」
という都市伝説が出てきて、
あれ?どこかで聞いたことがあるぞと思ったら、
「コミュ障探偵の地味すぎる事件簿」に出てきた都市伝説でした。
都市伝説としては有名な話なんでしょうかね?
こう言う繋がりが見えると更に本が楽しくなります。
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本の紹介[Amazonより]
著者:米澤穂信
死にたい人たちのあいだで、随分評判らしいのよ。
磨かれた文体と冴えわたる技巧。この短篇集は、もはや完璧としか言いようがない――。驚異のミステリー3冠を制覇した名作。
「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが……。鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」他、「夜警」「関守」の全六篇を収録。史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔。山本周五郎賞受賞。
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