『インターネットは民主主義の敵か』(キャス・サンスティーン著 石川幸憲訳) 毎日新聞社
この本は、以前に読んだことがあります(おそらく5~6年前)。
本書の中で語れるキーワードは「フィルタリング」。
インターネットで、個々人が「見たいモノだけ」を見て、興味のない情報や、一方的に自分が嫌悪する内容や、人の情報については、シャットアウトしたり、追い出したりする行為のことです。
今回の記事は、その本が指し示す好例かもしれません。
英語ブロガーMichikoさんご紹介の、最近「海外で話題になっている出来事」のひとつに、『チャーチル問題』というものがあります。
詳しくは、当ブログを拝見していただければわかります。
https://ameblo.jp/cluttered-talk/entry-12410719009.html
簡単にまとめると、アメリカNASAの宇宙飛行士(ケリーさん)が、チャーチル首相の言葉を引用したところ、実は彼がインド人を大量虐殺した政治家であると、抗議が殺到し、それに対してケリーさんが謝ると、とある『ユダヤ系アメリカ人』が割り込んできて、「荒らしコメントには屈するな」だとか、さらには偉い学者さんが「公式アカウント」まで使って、チャーチル擁護に走り「彼は完璧な人間ではないけれど、民主主義や自由の発展に貢献したから、虐殺は見逃してね♪」という具合に、お得意の自由と民主主義の論理を持ち出して、自己正当化に走ったというのです。
Michikoさんもおっしゃられていたけど、自分もよくわからないね。
ヒトラーは「独裁者」で悪党だったから、悪事は100倍にされて糾弾されるし、「民主主義」なチャーチルは一切お咎めなしなの?
正しい見方は、「どっちも悪いことをした」と見るべきなのに。。。
本当に、欧米人の言うことは、何でもかんでも正しいと捉えるのは間違いだと思いますよ。
いやそもそも、チャーチル云々以前に、アメリカのトルーマン大統領は、日本に原爆投下を命じた、名実共に「大量虐殺者」であるのに、米国内で実に幅広い分野で支持され尽くしている現実があるということ。
英語ブロガーのMichikoさんも、随分とつらい目に遭われたそうで、私たち日本人の気持ちを代弁して、彼の悪事を問いただしたところ、散々問題をはぐらかされて、挙句の果てには「荒らし扱い」され、それはとある「リベラル系アメリカ人」の関係においても、同じような結果でした。
なんというかさ、本当に悲しい・・・。
結局、日本人は根底において「人間扱い」されていなくて、こういうアメリカのディープな問題に触れるたびに、それを否応なしに知覚される辛さは、もはや耐え難いものがあります。
<参考資料>
・『インターネットは民主主義の敵か』(キャス・サンスティーン著 石川幸憲訳) 毎日新聞社
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https://twitter.com/XMfD0NhYN3uf6As
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