マケイン上院議員が死去 ８１歳、共和党重鎮
【ワシントン高本耕太】２００８年の米大統領選候補者だった共和党重鎮で、トランプ大統領への厳しい姿勢で知られるジョン・マケイン上院議員が２５日、死去した。８１歳。昨夏に悪性脳腫瘍と診断され地元の西部アリゾナ州で闘病を続けていたが、病状悪化で回復の見込みがなくなったとして今月２４日に家族が治療打ち切りを発表していた。
マケイン氏は海軍パイロットとしてベトナム戦争に従軍し、５年半の捕虜生活を送った経験を持つ。退役後の１９８２年に下院議員に当選して政界入り。８７年から上院議員に転じた。１５年から上院軍事委員長を務め、安全保障政策や国防予算の分野で、歴代大統領も無視できない影響力を誇った。０８年大統領選で共和党の候補指名を獲得。本選で民主党のオバマ前大統領に敗れた。
たびたび党派に縛られない投票行動をすることで知られた。闘病中の昨年７月、議場に戻って演説し、１６年の大統領選以降、深刻な対立の続く議会に対し「互いを信じ、党派を超え協力する本来のやり方に戻ろう」と呼びかけていた。トランプ氏には批判的立場をとり続け、トランプ氏のロシアへの融和的姿勢を「恥ずべき態度」と非難、トランプ氏によるメディア攻撃を「独裁者が市民を欺く行為」と指摘するなど、たびたび苦言を呈した。
マケイン氏の死去を受け、トランプ氏はツイッターに「マケイン氏と家族に心からのお悔やみを送りたい。お祈り申し上げる」と投稿した。
毎日新聞2018年8月26日 10時29分(最終更新 8月26日 19時45分)
https://mainichi.jp/articles/20180826/k00/00e/030/165000c
「傍若無人な独裁者トランプ」に最後まで戦った人。ふと日本の世間では、そのような印象が独り歩きしている中、本当のマケイン氏の素顔に迫っていこうと思います。
記事の中で、単に『事実の羅列』として彼の活動を見れば、「パパ・ブッシュ」以来の長老アンチとして、対トランプ言論戦に担ぎ出されたという「事実」を見れば、民主党議員から好意の眼差しで見られていたのは確かです。
しかし、なぜ「好かれていた」のか。
『独裁者トランプ』に対抗する、「リベラル民主党」の共感者として、真摯に言論活動を繰り広げていたのかと思えば、実際は違います。
重度の脳腫瘍を患い、とても正気ではいられぬ状況の中で、彼がどのような「立場」を演じさせられ、疲弊した老人をダシに、『アンチロシア』『戦争推進』の広告塔として、ベトナム戦争以来の「英雄」であるマケイン氏を、あのような形で「こき使った」人たちが、一体誰なのか、私たちは是非知る必要があります。
彼の経歴を見れば、軍出身で、上院軍事委員長という、アメリカ政府の「国益」に最も近い議員の一人。というよりも、米国内の最大の『圧力団体』の一つであるアメリカ軍の代弁者と見るのが、自然と思われるわけで、実際彼は、長らく対立していたロシアとの講和を選挙公約に掲げていたトランプ氏に向かって、「恥ずべき態度」と言った瞬間から、もはや「そっち系」であると、勘違いしてはいけないのは、民主党の『主流派』は、今日以後も中東戦争を継続することを望んでいるし、国内でアイデンティティ・ポリティクスを嗾けて、アメリカ人同士でいざこざをやらせる。結果、誰も戦争について「興味がなくなり」、だれだれがヘイトスピーチをしただの、そんなどうでもいいことばかりに気が行って、延々と左右両極の政争へと持ち込もうとしている。
むしろアメリカのリベラルを見ていると、出自論争で形だけの人権主義を呈しておきながら、実は積極的に自国の対外戦争に賛成していて、米国に叛逆的な国は直ちに焦土にしても良い、その国家元首や一族を皆殺しにしてもかまわないとする態度です。
これって冷静に考えたら、あり得ないほど恐ろしいことですよ。
アメリカ人の大多数は、こうした国内の無用な争いによって、自国がやる戦争も「どこか遠い出来事」のように解釈していて、誰も反戦活動はやらないし、それによってどれだけの民間人が犠牲になろうとも、自分たちの「人権」さえ守られればよい、それはかつてオバマ氏が演説で述べたような『アメリカ人だけが使い捨てにできぬ国民である』と。
<参考資料>
・毎日新聞 『マケイン上院議員が死去 ８１歳、共和党重鎮』記事
https://mainichi.jp/articles/20180826/k00/00e/030/165000c
・Cluttered talk blab blab blab 『晩節を汚しつつ去った「英雄」ジョン・マケイン』
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