ヘイトスピーチ響く古都



現場から 2014衆院選➄



国内外からの観光客が集う京都・八坂神社前。休日7日、京都に罵声が響く。「政府は朝鮮人を日本からたたき出せ」。『在日特権を許さない市民の会』(在特会)のデモ隊が、ヘイトスピーチ(差別的憎悪表現)を繰り返した。


デモは「勧進橋児童公園奪還行動5周年」と銘打つ。5年前、隣接するこの公園を授業に使っていた京都朝鮮第一初級学校(現・京都朝鮮初級学校)に、「不法占拠だ」と圧力をかけた。「犯罪者に教育された子」「朝鮮半島へ帰れ」などと拡声器で学校周辺での街宣活動を繰り返し、授業で公園を使えなくなった。


街宣差し止めを求める裁判で、京都地裁は2013年10月、学校周辺の街宣は「人種差別」と判断。


約1226万円の賠償とデモの中止を在特会側に命じ、二審の大阪高裁も在特会の控訴を退けた。上告して争っている。



この日のデモの参加者は、20人ほどで、1年前の同種デモから半減した。中部地方の30代の男性会員による「朝鮮人を殺せ」などの発言を減らし、ソフト化を装うことで影響力を保持するような動きがあるという。もっとも在特会が大きく変わったわけではない。参加者は「朝鮮人から領土(公園)を奪還しました」「朝鮮人は死ね」などと叫びながら、街を練り歩いた。このデモを伝える動画がネットにアップされると、たちまち「朝鮮人怖い」などの言葉とともに拡散されていった。


「5周年デモ」には数百人の反差別活動家らが集まって在特会側に抗議の声をぶつけた。デモに遭遇した人の中には、ごくわずかだが、デモに声援を送る姿も見られた。物産店の男性(29)は「別に、良いんじゃないですか」と言った。



子供が朝鮮第一初級学校に在校中にヘイトスピーチに遭遇した金尚均・龍谷大教授は言う。「娘はショックを受け、『朝鮮人って悪いの』と聞いてきた。ヘイトスピーチは単なる不快な表現ではない。相手に自尊心を喪失させる、深刻な被害を生じさせる行為だ」(守真弓、高津祐典、今村優莉) 


〈3面に続く〉




■ヘイトスピーチ(定義)

人種や民族、国籍を理由に差別する表現行為。


さて、この「勧進橋児童公園奪還行動5周年」というチンケなデモ(ヘイトスピーチ)については、のりこえねっとtvで野間さんや『差別反対東京アクション』の石野さんの番組で情報は得ていましたが、「ニュース23」でも拝見したように、そのデモ(ヘイトスピーチ)の酷さは想像を絶するものでした。


まあ彼らはいつもいつもあのようなおぞましい行為に手を染めているのですが、集団で徒党を組んで警察に守られながらビービー差別暴言を吐き散らかす姿は、とても見るに耐えたものでなく、痛々しいものもあり、そこには『おもてなし』と称して世界にアピールしようとしている日本の真の姿が写されていました。


もはやこれはアングラな活動ではなく、ネトウヨの思想は社会一般に深く浸透し、出版界をはじめ街中の週刊誌では日夜「嫌韓反中」記事で溢れ、実態にそぐわない感情的な憎悪に支配されています。


また政治に目を見渡してみても、与党自民党の閣僚の中でネオナチや在特会とのツーショット写真を撮り、それを明確に否定すらしない人間もいる始末です。



-終わらない憎悪と傍観主義の行方2- 』中の動画でも示したように、在特会による京都朝鮮学校襲撃事件は、平日、子どもたちが通い授業を受けている最中に野蛮なレイシストたちが、拡声器を手に聞くに耐えない差別的暴言を雨のように浴びせ、当時の詳細をことこまかに記すたかしさんのブログ『たかしズム』(「在特会」ニュース 2009年12月17日記事)にて、在特会自身は「危険な任務」と称して街宣活動を行ったようですが、実際は「スパイの子ども、道の端っこ歩いとけや!」だのと無抵抗な児童へ向けた最低下劣極まりないクズ行為をはたらく「腰抜け集団」です。こういうと変な話ですが、ましてや大人で屈強そうな在日の方には彼ら自身は手も足もだせず、なぜか小さな子どもや女性、老人ばかりをターゲットにするところがいかにも卑怯なヘタレ性を感じさせます。



そして今回の京都でのヘイトスピーチ。海外観光客の人気スポットでもあるこの地において、おぞましいヘイトスピーチを展開し、過去の秋葉原での活動も含んでも実際に英国外務省と在日英国大使館が旅行客への注意として、在特会をはじめとする極右系の街宣ヘイトスピーチに遭遇したら、直ちにその場から離れるようにと告知しています。その他にも、彼らの長年の活動や周辺状況の悪化を鑑みて、国連から日本へ様々な勧告が突きつけられ、その早急な改善を求められていますが、日本政府は「憂慮するほどの差別は存在しない」だのと放言して、世界から多くの疑念や批判を買いました。



私としては、これ以上のヘイトスピーチやヘイトクライムは断固とした法的措置が望ましいのであり、そのためには適切な立法案を提出する必要があり、まずは現実にある在特会や関係する集団への掣肘を加えることです。そうした背景や前提でもってネットに蔓延するデマや悪意のある言説、それらを振りまく者には良識のある方々によるたしかな圧力を、それでも解決しない場合には法権利による裁断しかないのです。


ネトウヨに奪われたネット空間を徐々に正常な言論空間に取り戻すため、余力のある人々ができる範囲でのお力添えと、『ネット黎明期』に見られた夢であるリベラルで「見えざる手」による自然回復的な言論アゴラを思い出して、現実はもうそうはいかないとしても、少しでも実現できるように各々が市民社会の人間の努めとして頑張らなくてはならないと私は思います。



次回は、引用記事(朝日新聞)の続きとそのさらなる詳細と母体となる社会的環境の変化、および今後それと向き合う政治について考えていきたいと思います。



※『在日特権を許さない市民の会』(在特会)‐これは当団体の名称ですが、『在日特権』自体まったくのデマゴークであり根も葉もない虚構であります。