■ヘイトスピーチ

人種や民族、国籍を理由に差別する表現行為。


日本では2008年ごろから、在日韓国・朝鮮人を中傷する街頭宣伝活動が顕著になった。
06年設立の在特会が代表的な団体とされる。ネットの動画や中継で活動を広め、会員は全国約1万5千人という(公称)。

09、10年に計3回、京都の朝鮮学校前で「犯罪者に教育された子ども」「朝鮮半島へ帰れ」などと主張。京都地裁は人種差別にあたると、新たな街宣活動の差し止めと学校側への1226万円の損害賠償を命じ、在特会側が上告中。


国連人種差別撤廃委員会は8月、日本政府にヘイトスピーチの法規制などを勧告。
ドイツや英国などは法規制している。







キャンベルの


近現代史を知り議論深めて



ヘイトスピーチなんて何を言っているのか分からない、と見て見ぬふりをする。

デモに遭遇した人たちが見せた「関わりたくない」という表情は、多くの人に共通する感覚だと思います。日本では文句を言わない方が美徳とされることが多い。

私が生まれ育った米国流の主張する文化からみると好ましくも見えますが、何も言わないで通り過ぎること自体が問題を大きくしているのではないでしょうか。



ヘイトスピーチをする彼らは、自分たちの情緒の世界のなかに完結して生きているように見えます。ただ、声高に主張すればするほど、ネット上では少しずつ「いいね」が増えていく。
それが実態かのように、彼らの力になる。

日本人は自分たちの近現代史を知らな過ぎます。例えば占領期が何年続き、どんな政治体制だったのか。大学生でも答えられない人が多い。これでは、どの立場であっても議論は薄く、堂々巡りの感情論になってしまいます。


メディアの問題もある。米国の主要な新聞は、例えば同性婚や中絶といった世論が二分される問題を継続的に取り上げています。日本のメディアは何かが起こらないと報じない。これでは議論が深まりません。

ドイツは社会の様々なレベルで、ナチス政権下にあった戦時中の問題を議論してきました。日本でも、差別発言を向けられた人たちと社会との関わり方から考えることができるはずです。

現状のまま法規制をしても効果は薄いと思います。


Robert Camvell 1957念米ニューヨーク生まれ。 85年に九州大学文学部研究生として来日。東京大学大学院教授(近世・近代文学)。


朝日新聞 2014年(平成26年)11月3日 月曜日 第21面 扉 13版




今回の記事において、キャンベル教授がおっしゃられた事はまことに的確であり、ネトウヨたちが内包する『特別な日本』(特日)というものは、過去の歴史においてもどこにも存在しません。

それは彼らの歪んだ精神世界が生み出した「妄想」であり、それをネットで声高に叫んで肥大化させたものを、現実でのヘイトスピーチやヘイトクライムで爆発させ、このままでは日本社会は間違いなく壊れるでしょう。


そして、もっと前から日本に存在した在日コリアンへの差別は今現在においても存在しますし、フリージャーナリストの安田浩一さんは「常にリニューアル化されている」としました。


上述の現状に対して、多くの大衆は目を背け耳をふさぎ、見て見ぬふりをしてきました。これはキャンベルさんがご指摘される通りです。私としては、文化的背景やそれにプラスされるもので「非当事者」による無関心主義とか、自分にあまり関わりがないものは興味がないという社会的風潮も起因していると思います。そして歴史的知識が欠落もしくは著しく不足しているが故に、ネットにおけるデマやまやかし、それに準じた言説に翻弄され、比較的若いうちからネトウヨ的思考になったり、ある程度年をとった大人でもそういうものに侵される危険性があります。


しかしもうそんなことは許されない段階にきています。



今紹介する一つの動画は、大阪鶴橋での在特会による街宣デモの様子ですが、そこに登場する一人の少女がその身に似つかわしくない恐るべき言動を垂れ流しております。(回覧注意)







この子どもの親が在特会の幹部だそうですが、完全に親の道具にされてマイクを持つヘイトスピーチマシーンになっております。そしてなにより、この少女は中学生でありその事実に多くの方々がショックを受けました。

もうこの子は正常な社会に戻れないでしょう。

残酷ですが、一人の常軌を逸脱した人間を親に持ってしまったがゆえに、一人の子供の人生はめちゃくちゃに破壊されました。



そしてこうした現状が放置されれば、間違いなく日本で「ジェノサイド」が発生します。
無論、そうした社会で暮らす我々の生活も破壊されます。


もはや人ごとではないのです。







<参考資料>

・朝日新聞2014年11月3日記事