反復する特定のリズムが在る。それは人間の脈拍のように躍動し、宇宙に遍在する。
そのリズムは音楽的と云うよりも、寧ろ機械的に繰り返されているように思い出せるが。
リズムつまりは拍子なのだが”温度”のようなものを湛え、また『蠢く色彩』が『反復する特定のリズム』の視覚的な要素である。
音楽的な印象として「ツクツクホウシの蟬吟(センギン)」が近い。
あの反復するリズム音とも脈拍とも云えるものは、もしかすると密教(大乗仏教)でいう「真言」つまり「マントラ」であるのかも知れない。
あれは偏く宇宙に在って…否、寧寧ろあれが宇宙の真相の一断面であって、人間の脈拍のように表示する”3Dフルポリゴン・リアルタイムのMMORPG・オンラインゲーム画面の世界”のようなもので、『反復する特定のリズム』は謂うなればプログラム言語が何かのはずみで(或いは手違いで)人間に知覚されてしまった、「コンピューターのバグ(映画マトリックスのデジャヴュの如く)」と喩えると伝わり易いか?
――宇宙は音で形成されている――
である。
インド哲学、宗教にあるマントラ…ラーガ、真言陀羅尼(ダラニ)。
そのマントラそのものだと思える『反復する特定のリズム』が、宇宙に遍在することを確認したのは「マジックマッシュルーム(M・M)」と大麻の「空間的な幻覚」によって齎された”異常な体験(幻覚性植物を多用しても常に起きる訳ではない)”による。
しかしそれが単なる幻覚と趣きが異なる大きな理由は『反復する特定のリズム』そのものを知ったのは、実は最初が「いつ」なのか思い出せないぐらいに昔、一番古い記憶で小学校の低学年までのことで
具体的には”眠れない夜”に、どこからか意識へと響いてくる。それほど珍しいことでもなく当時は時々よりは少なく稀よりは多く起こったことだ。
あの独特のリズム?をマントラだと”真理”の片鱗に気が付いてしまったことで、同時にそれは現在に至るまである種の狂気を持つことになった。そこは薬物(M・Mや大麻も含めて)の悪影響を感じなくもない。
『反復する特定のリズム』…マントラ~ラーガは、視覚と聴覚だけに「姿」と影響を現すわけではない。それを知覚すると同時に伝わってくる…伝えられる”教え”のようなものがあることも知る。
違(たが)えてはいけない。
”い訓(イクン)への畏れ”と…禁忌への憧憬。
※「禍枉(カオウ)」はまがまがしい、よこしま等の意味の禰彌(でび)の造語。
パンドラの箱のように、禍枉の箱の奥底にも「希望」は残されているのか、さて。