キマればとにかく覚醒剤 | 愛と幻想の薬物

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病んだ精神を癒やすために、体験を基にし、エッセンスとしてのホラを加えながら『さいはての地』での記憶を辿ります。
妄想、現実、ありがちな経験をもとにした物語です。

以前インターネットで覚醒剤について調べたとき、警察の科学捜査研究所では、押収した覚醒剤の成分を分析することで、その覚醒剤の原材料からどういう精製過程を経て市場に流れたかと、生産地と原材料、用いられた試薬や溶媒といった製造過程の完全分析ができるという記載を
確か科捜研の論文で読んだ。
そうした分析技術の凄さを違う視点から解析してもらえれば、よくポン中の言う

『十年前のネタは良かった』
がどの程度真実か、或いは単なる思い込みか分かるんだろう。

僕がシャブにハマった十五年ほど前は、シャブはガンコロしかなかった。
所謂縦割れとかは、値上がりを起こしたときに見かけるようになった。
またそのガンコロはカルキのごとくクソ硬くて、指では割りにくかった。
割れるときは確かに縦割れの結晶になった。
でも仕入れのパケでは塊が普通だった。
また試験管の炙りでは焦げあとは残らず、気化したあとは白い焼跡が残ったものもあったけれど、黒く焦げるのは唾液が混じったときだけだった。

ポン中末期にコンスタントに入手してたものも、先がちゃんとした密売人だったので、極めて良質だった。

どれが東南アジア産でどれが北朝鮮産でどれが中国産だかは知らなかったけれど、五年ほどは北朝鮮との国境に面している中国の田舎産だったらしい。
風の噂では、日本人の兄弟が中国に工場を作ったとか聞いた。
それから数年して中国でシャブ工場を運営してた怖い兄弟の人が中国で死刑になったとテレビのニュースで見た。
本当だったのかも知れない。
それんら中国警察にも仲間が居たはずだけど、寝返られたのか粛正されたのか、よくわからん。そもそもホラかも知れない。

最近はネタが高騰していて、高いという。
年末の傾向かも知れないけれど、僕がポン中のときはあまり影響はなくてコンスタントに高価だった。
大体がグラム二万ちょいだったし。

今のシャブでも純度が高いのはたくさんあるだろうと思うけれど、『水で泳がない』とか聞いた。
バチもんなのかな?と尋ねると、
『薄いけどバチもんじゃない、どこでもそんなんや』
とかいう。

科学捜査研究所が近年闇市場で流通してる覚醒剤の成分とかを発表してくれたら面白いのにね(笑)。