Twitterお題『一生のお願い』



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<お願い(大福先輩)>




生徒会室に呼ばれて、私は紙袋を持って向かった。ノックして入ると、ソファーに寛ぐ生徒会長がいた。


「あの……」

「ようこそ。こちらにどうぞ」

「……はい」


緊張する私を側に呼び寄せて、隣に座らせた。すっと会長の顔が近付いてきて、私はぎゅっと目を瞑った。


「甘い…………香りがしますね」

「っ、はい……これを」


耳元で囁くから、つい反応してしまい、身体が揺れると、クスクスと笑われた。


「フフ…、可愛らしいですね」

「あ…、耳元で話さないで下さい…っ」


慌てて耳を押さえて、先輩から少しだけ距離を取った。
先輩はそんなことは気にせずに、私が差し出した袋を嬉しそうに開けていた。


「これは……、素晴らしい……」

「ありがとうございます。先輩のお願いだったので、少し頑張りました」

「あなたは……なんという……、食べるのが勿体ないくらいです」

「いや、そこまでは……」

「この感触、……堪らない」


愛おしげに眺めて、先輩は私が作った大福を手に取った。


そう、私は先輩に頼まれて、手作りの大福を差し入れしたのだった。
普段は大人で紳士な先輩だけど、大福を目の前にすると、年下の私が言うのも何だけど、可愛くて頬が緩む。


「やはり、食べるのが勿体ない」

「あの、また作りますから。だから食べちゃってください」

「……また?」

「はい!いつでも作りますから。私ので良ければ」


先輩は私の顔と大福を見比べて、困ったように笑った。


「どうやら私の胃袋も掴まれてしまったようですね」

「え?」

「ありがとうございます、」


ふわりと花の香りがしたと思った時には、頬に柔らかい感触がして、それが先輩の唇と知った頃には、私の顔は真っ赤に染まってしまっていた。





End.


大福のお話の妄想です。


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デート、です!#1




ひょんなことから、西園寺先輩が大福好きと知って、放課後、大福のお店へ案内することになった。


前を素通りするだけで、中に入ったことはないんだけど、ガラス越しに見えるショーケースの中にはカラフルな大福がたくさん並んでいる。リサーチ済みだ。


(まさか、西園寺先輩と一緒に行けるなんて、思ってなかったけど)


自然と笑みが溢れて、慌てて表情を引き締める。そんなこんなで、授業はあっという間に終わり、私は一目散に校門へ急いだ。


「お待たせしました!」


背の高い先輩はよく目立つ。私を見ると、にこりと微笑んでくれて、それだけで嬉しい。


「そんなに走らなくても大丈夫ですよ」

「先輩をお待たせしたらダメですから!」

「……ほら、髪が乱れてしまっています」


そっと私の髪に手を入れて整えてくれた。その手を意識してしまって、もう心臓が激しく鳴っている。


「ああああああの!い、行きましょう!」

「はい、そうですね。楽しみです」


先輩を促して、私たちは大福のお店へ向かった。

先輩とこうして歩くのはやっぱり緊張するけど、すごく楽しくて、話が尽きないまま大福のお店に到着した。


「…………」

「先輩?」

「…………」

「さ、西園寺先輩?」

「!……すみません、余りにもたくさんの大福で……」


先輩の顔は今までに見たことのないもので、一緒にきてよかったなぁと嬉しくなった。


「あ、先輩。中で食べられるそうですよ」

「ではそうしましょうか」






***

試験的に書いてみました。

まだまだキャラを掴めてないんですが、続き……いります?











キミカレの二周年記念に書いたお話です。


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私達の定番のデートと言えば、お部屋デート。
これは、あんまり外に出るのを好まない秋夜くんに合わせたら、何時の間にかそうなっていた。

大抵は秋夜くんのマンションで、寛ぎながら、『猫』の相手をしたり、ご飯の用意をしたり、たまに映画を見たり、そんな感じで過ごしてる。

別に、不満があるわけじゃない。
まったりするのは好きだし、秋夜くんのそばにいられるのは嬉しい。

でも…、やっぱりもう少し違うデートをしてみたいっていう気はある。

「ねぇ、今度どこか出かけようか」
「……えっ!?」

急に秋夜くんからそう提案されて、私は目を瞬かせた。

今まさに、私が違うデートがしたいって思ったところで、図ったような彼の言葉は、私をびっくりさせた。

「…何、その反応」
「え、ううん!ちょっとびっくりしちゃって」
「……びっくり?」
「うん。今どっか行きたいなって思ってたから、偶然」
「ふうん」

素っ気ない相槌で、秋夜くんは目の前に広げていた楽譜をまとめて、テーブルの端に追いやる。
その代わりに、何時の間にか取り出した雑誌をそこに広げた。

「どこに行きたい?」
「!これ!」

デートプランが紹介されている有名な雑誌。
これを秋夜くんが持ってることに感動しちゃって、彼の顔を見上げると、ふいっと視線を外される。

「勘違いしないでよね。皐に押し付けられただけだから」
「咲坂くんに?どうして?」
「……いいでしょ、別に。それよりも、行き先早く決めてくれないと、気が変わるよ」
「えぇっ、ちょ、ちょっと待って!!」

気が変わってしまったらダメだと、私は慌てて雑誌に目を落とす。
どこも魅力的で、どこも行ってみたい。
なかなか決められずにいると、痺れを切らしたのか、秋夜くんが雑誌を取り上げた。

「あっ!」
「遅い」
「だって…」

この話はなし、って言われるのかと思いきや、秋夜くんはペラペラと雑誌を巡って、あるページを私に見せた。

「わ、綺麗」

そのページには、割と有名な植物園が載ってて、季節によっていろんな花々が観察できるらしい。
掲載されている写真は、その園の目玉である花畑で、素敵だ。

「ここ、どう?」
「うんっ、行ってみたい!」

きっと私はすごく笑顔だ。そんな私を見て、秋夜くんは珍しく優しい表情をしてる。

「ねぇ…、もしかして、デートプラン考えててくれたの?」

尋ねると、秋夜くんはフイッとそっぽを向いてしまった。顔は見えなくなったけど、横髪から覗く耳は少し赤くなってる。


照れてる……?


「どうでもいいでしょ。じゃあ、今度の休みに────ッ」

嬉しくて嬉しくて。
私は秋夜くんに思いっきり抱き付いた。

「ありがとう、秋夜くん!すごく嬉しい!」
「……当然でしょ。俺と陽菜はカレカノ、だし」
「ッ!うんっ、そうだねっ」


当然だと言ってくれる彼に愛おしさが込み上げる。


さっき思ってたことなんて、全部吹き飛んじゃって。


私達はこうやって少しずつ絆を深めていくんだなぁ、としみじみ思った。







fin.




キミカレ二周年の記念創作です。


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お兄ちゃんて、いつもチョコの甘い匂いがする。

いつも肌身離さずチョコを持ち歩いてるみたいだし、本当にチョコが好きなんだなぁ。

「……どうしました?」
「…ううん。何でもないよ」
「退屈ですよね。すみません、すぐ終わらせますから」

お兄ちゃんはそう言って、わたわたと急いで仕事を再開する。

放課後。
お兄ちゃんと一緒に帰りたくて、資料室で待っている私。

実習生と言っても、実習記録とかいろいろ書かないといけないものがあって、忙しいみたい。
机に真剣に向かってるお兄ちゃんを見るだけで、楽しかったりするから、私は別に待つのは構わないんだけど。

「……ねぇ、お兄ちゃん」
「はい、何でしょう」
「一つ聞いていい?」
「はい?何ですか?」

お兄ちゃんは手を止めて、私の方へ顔を向けてくれる。

「お兄ちゃんて、いつからチョコ好きになったの?」
「んー…いつからでしょうね…」

遠い目をして考えるお兄ちゃんは、ちょっと知らない人みたいで、私がお兄ちゃんがチョコを好きな理由を知らないことが、お兄ちゃんとの距離を遠く感じさせる。

「……毎日食べてて、甘ったるくならない?」

口から出たのはそんな言葉で。
少し棘のある物言いに、自分でびっくりした。

お兄ちゃんはいつもの優しい笑顔を浮かべてて、私を見る瞳は、何もかもお見通しというように見透かしてくる。

「──では、味見してみます?」

言葉の意味を理解するよりも早く、お兄ちゃんの手が私の頬を撫でて、それから唇が触れた。

「んっ……」

抵抗しない私の後頭部にお兄ちゃんの手が添えられて、キスは"味見"と言った表現の通り、深く味わうように絡まった。


(…あ、ミント…?)

チョコの甘い味よりも、清涼感のあるミントの味。

唇が離れると、どうでした?と何でもない顔で聞いてくる。

「……っ、あ、甘くなかった……かも…」
「……ふふ」

今更に恥ずかしくなって、顔を俯かせた。
学校だし、不意打ちには慣れてない。

「甘いのは、君だけで充分です」
「え…?」

耳元で囁かれて、私の胸はドキドキして落ち着かない。
お兄ちゃんの声で、その言葉の意味で。

「なんてね」
「か、からかったのっ?」
「ふふっ。さぁ、どうでしょう?」

笑顔から答えは見出せない。
大人ってズルいと唇を尖らせると、ちゅっと軽くキスされた。

「…でも、今はチョコより陽菜が大好物」


……やっぱり大人はズルい。


ふと見せるお兄ちゃんの違う一面に、私は今日も心を奪われる。







fin.

キミカレ二周年の記念に書いた創作です。




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「ねぇ、そろそろいいと思うんだけど」
「え?な、何がですか?」

ある日の放課後。
お家デートをしようって、彼のマンションにお邪魔することになった。

コンビニで買ったお菓子とジュースを広げて、ふかふかのソファーで二人で寛いでいると────

そう、真面目な顔で彼が言った。
何となく、今までの経験上、よくない気がして、冷や汗が出る。

案の定、あやしげな微笑みを浮かべてる彩人さんがいる。

「さ、彩人さん…?」

彩人さんは無言で、自らの唇を指差した。彼の意図していることを読み取ろうとするが、
やっぱり分からない。

「分からないかな?」
「は、はい…。教えてもらえますか?」
「教えるのはいいけど、言う通りにしてくれる?」

はい、と返事をしかけて、慌てて飲み込む。彩人さんのペースに何時の間にか乗せられてる。
思わず警戒してしまうと、彩人さんがずいっと顔を近付けてきた。

「何を警戒してるのかな?」
「えっ、いや、その…っ!さ、さ、彩人さん、顔が近いですっ」

飛び退くように距離を取ると、更に間合いを詰められていく。
すでにソファーの端まで追い詰められ、逃げ場のなくなった私に、再び顔を近付けた彩人さんは、唇が触れそうな距離で囁いた。

「…君からキス。してほしいんだけど」
「……っ」
「ねぇ、ダメ?」
「…ぁっ…」

耳元に移動した彩人さんが、私の耳に舌を這わせた。

力が抜ける。
恥ずかしくて、顔はきっと赤い。

「ねぇ、陽菜ちゃん…」
「っ……ダ、ダメじゃないです…っ、」

流されて、そう口走った私。
彩人さんは、私の耳を虐めるのをやめて、にっこりと笑っている。

「ふふ。じゃあ、よろしく」
「………」

元の位置に戻った彩人さんは、目を閉じた。

その待ってる様子は、何だかすごく可愛いなって思うんだけど…。

私も体制を立て直し、そっと彩人さんに近付いた。

改めて彩人さんの顔を見ると、睫毛が長くて、目を閉じていても整ってる人はかっこいいんだなと思った。

こんな素敵な人が私の彼氏なんて、本当に奇跡に近い。

「陽菜ちゃん?」
「は、は、はいっ、ただいま!」

見惚れてしまって催促される。

私はソファーの上に膝立ちになり、彩人さんの肩に手を置くと、気合を入れて唇を重ねた。

時間にしては数秒の出来事。
ドキドキ高鳴る胸を感じながら、彩人さんから離れようと手に力を入れたところで、腰に腕を回され、何時の間にか彩人さんの膝の上へ横座りしていた。

「さ、彩人さん…っ」

噛み付くように再び唇が重なった。
優しくて、少しだけ荒々しいキスは、彩人さんの気持ちが詰まっていて、嬉しくて切ない気持ちになる。

「…彩人さん…」
「ん?」
「好きです、彩人さん」

伝えたくて。
普段なら恥ずかしくて言えない言葉を。

「僕も好きだよ。愛してる」

吐息が混じり合う。

ずっとずっとこの人と一緒にいたいという気持ちは、溢れて止まらない。

少しでも思いを伝えたくて、私は彼の首に腕を回したのだった。







fin.