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何事にも代償が必要 #3
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「なんだその弛みきった顔は」

「え、えっと……」

「……今にも尻尾を振りそうだな」

「え?」

「何でもない。休みだと言うのに関心だな」

「は、はい…」


まさか、先生に会いに行くのが目的とは言える訳がなく、曖昧に頷いてみせた。


「……ふん。精々頑張ることだな。休み明けにいい点を取ることを期待しておく」

「うっ……はい」


去り際にポンと肩に置かれた手が優しくて、ドキドキと胸が高鳴った。


「おい、おせーよ」

「きゃ、」


突然背後から声を掛けられ、心臓がひっくり返るほどびっくりした。振り向くと、同じように驚いた顔をした斗真が立っていた。


「な、なんつー声出すんだよ」

「ご、ごめんね。ちょっとびっくりして」

「そうかよ。行くぞ、」

「あ、うん」


迎えにきてくれた斗真に付いて歩き出す。図書室へ向かっているようだ。


「そーいや、さっき真山に捕まってたな」

「え!う、うん…」

「何か言われたのか?」

「え!?」

「……何だよ、挙動不審だな」

「そ、そんなことないよ」

「まぁいいけど」


危ない危ない。斗真は変な顔をしてたけど、それ以上は追及してこなかった。
ホッと安心したところで、図書室に着いた。扉を開けると、本棚の奥に設置されている長机に、数人の生徒が勉強していた。

扉が開く音に反応したのか、こちらを向いている。


「あ、守部くんに、北城くん」

「△△さんでしたか。北城くん、真面目にしてください!」

「うっせーぞ、守部」

「いいですか、あなたのためにこうして勉強会をやっているんですよ!?」

「それが余計なお世話っつってんだよ」

「ま、まぁまぁ…二人とも落ち着いて?」


言い合いが勃発しそうになった所で、慌てて仲裁に入る。何とか宥められて、斗真に視線を送ると、バツの悪い顔をしていた。

どうやら、この二人の仲裁役に呼び出されたみたいだ。


「えっと……北城くんが休みに学校に来るなんて、珍しいね?」

「あ?……んだよ、わりぃかよ」

「う、ううんっ、そういう意味じゃないよ!」


ギロッと睨み付けられて、思わずたじろぐ。


「北城くんは先生に呼び出しを受けていたんです。それで…」


守部くんが順を追って説明してくれる。

北城くんが呼び出しを受けて、たくさん課題を出されたそうで、たまたま生徒会で学校に来ていた守部くんに出会って、たまたま部活終わりの斗真に出会って、こうして三人で図書室に籠っているということらしい。

で、二人が何かと衝突するので、斗真だけだと仲裁できなくて、私が呼ばれたらしい。


「なるほど、よく分かったよ。じゃあ勉強始めようか」

「何がじゃあ、だよ……チッ」

「北城くん!」

「も、守部くん落ち着いて……。あ、これ真山先生の数学?」

「あ?」

「そうです、よく分かりましたね」

「真山の野郎がバカみてぇに出しやがったんだよ」

「……お前、問題見ただけで分かるのか?どんだけだよ……」

「え…………っ!」


恥ずかしくなって、赤くなりそうな顔を隠すために、へらへら笑ってみる。


「い、いや、いつも補習させられてるからね!」

「そういえばそうですね」

「お前目附られてるもんなー…」


一気に同情されるように見られて、それはそれで居たたまれない。

好きで補習させられてる、なんて言えないし。


「とにかく、早く終わらせて帰ろう!」

私達は何だかんだと言い合いながら、各々の課題に手をつけ始めた。







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久しぶり過ぎて……
北城くんと守部くんが斗真と仲良いのかな?
そこらへんよくわかりませんが、なるべく自然に接点がある三人にしました。

次で終わりですー、甘くなる予定ー。



幼馴染みくんが可愛すぎて!

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隣の君
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「もう、斗真ったら自分から夏休みの課題しようって誘ったのに…」

居間のテーブルで突っ伏した彼を見て、私は溜め息をついた。

部活の後に一緒に課題しようぜ、と約束して、夕方から私の家で勉強会。
一人で勉強するよりも何故か捗って、ペラペラとページを捲って、課題に集中してたんだけど、ふと前を見ると、斗真が机に突っ伏してた。

「斗真ー、風邪引くよー?」

肩を少し揺すっても全く起きない。完全に寝入ってるみたい。

「疲れてるよね」

くかーと気持ち良さそうに寝息立てている彼をじっと観察する。

小さい頃はこうやって、近くで眠ることはよくあったけど、斗真の寝顔を見るのは久しぶりだ。

昔と変わらないような、成長して男らしくなっているような、いつも見てる斗真と少し違って見えてドキドキする。

夕飯前に起こせばいいか、とキッチンにいるお母さんに目配せして、肩にタオルケットを掛けてあげた。

何だか幸せを感じた一時。



fin.


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何事にも代償が必要 #2
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急いで学校に向かった。春休みだから、しんと静まり帰った校門を潜ると、工具箱を持った東麻さんに出会った。


「おや、△△さん。どうしたんだい?」

「こんにちは、東麻さん。家じゃ課題が捗らなくて、学校でやろうかなぁって思って来ちゃいました」

「なるほど。そういえば、他にもそんな生徒がいたね。帰りが遅くならないようにほどほどにね。頑張って」

「はい!東麻さんもお仕事頑張ってください!」


フッと優しそうな微笑みを残して、東麻さんは離れていく。私は頭を下げて、早歩きで校舎に向かう。自分の靴箱の前で、気付いた。


(あっ……上靴忘れた)


持って帰ったのをすっかり忘れていた。 どうしようか、暫く考えていると、「△△さん?」と声を掛けられた。


「あっ、一之瀬先生、こんにちは」

「こんにちは。今日は休みだよ?」

「友達と勉強しようって誘われて」

「そう。感心だね。何だか途方に暮れているようだけど」

「あっ、…実は上靴を忘れてしまって…」

「それなら来客用のスリッパがあるから、それを使うといいよ」

「はい!ありがとうございます!」


一之瀬先生がスリッパを出してくれて、私はそれを履いた。途中で一之瀬先生と別れて、私は自分の教室に向かった。

いつもと違って、静かな廊下にペタペタとスリッパの音が響く。窓の外からは部活動をしているのか、掛け声が断続的に聞こえてる。
何だか落ち着かなくて、スリッパの音が鳴らないようにそっと歩いてみる。


「そこの怪しい生徒」

「!!」


聞き間違えなんて絶対にしない声が聞こえた。その場に立ち止まり、深呼吸する。思ったより心臓がばくばくと忙しい。振り返るのが怖くて、ひたすら深呼吸していると、背後に気配がした。


「……何をしてる」

「…………」


緩みそうになる頬っぺたを両手で押さえた。ずっと聞きたかった声が間近でする。自分ながらに気持ち悪いくらいテンションが上がった。


「△△?」

「…………はい」

「どうしてここにいる?」

「あ、の……勉強しようと思って……」


背を向けて話す私に、先生の腕が伸びてきた。あっと思う間もなく、先生の方へ身体を反転させられる。

目と目を合わせたら、先生の眉間に皺が凄く寄せられた。





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東麻さんと一之瀬先生…もはや別人。

前作はこちら
恋した相手は空手部の彼女でした #1

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恋した相手は空手部の彼女でした #2
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放課後、約束通りグラウンドに向かう。向かう前に生徒会室に顔を出して、生徒会長に遅れる旨を伝えると、「またですか…」と溜め息をつかれた。


(今日はかーつ!)


気合いを入れ、足音高く廊下を歩いていると、ちょうどグラウンドの入り口で、女の子とぶつかった。
ちょっと当たりが強かったのか、ヨロけて倒れそうになる。


「わ、ごめんっ」


慌てて地面へ倒れる寸前だった女の子を抱き止めた。自分でもこんなことができるとは思ってなかった、と感動する。
そして視線を彼女の方へ下げて、目を見開いた。


(か、可愛い!)


タイプだった。理想のタイプ。


「あ、あの、ありがとうございます……。えと…」

「俺、□□□□!同学年だよな?」

「う、うん。ネクタイ同じ色だから……。というか、離してもらえませんか?」


遠慮がちに言われ、今の状況を思い出す。慌てて彼女から離れて、赤くなってるであろう顔を手で隠した。

彼女はくすくすと笑って、もう一度「ありがとう」と礼を言った。
そして、自己紹介をしてくれた。


「じゃあ私用事があるから、またね」
「お、おう。またな……」


また、という言葉がこんなに嬉しく感じたのは、初めてかもしれない。




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モブ♂の恋愛ですー
まだ名前がないwww
思い付かないので、□□□□で暫くいきます。

調子に乗ってー…

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何事にも代償が必要 #1
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春休みだからと言って、山程出た宿題をとりあえず消化しようと机の前に座ってみた。

パラパラと問題集を捲ってみるけど、解く気にもなれなくて、閉じた問題集の上に頭を置いた。

考えることはただ1つ。
真山先生のことだ。こんなに腑抜けになってる私を見たら、きっと先生は「もっと調教する必要があるな」とニヤリと笑うだろう。
そんなことを考えて、顔が赤くなった。調教とか、恥ずかしいな、もう。


(はぁ…)


春休みだから、学校には行かなくていい。登校しないとなると、先生に会えなくて、寂しいんだ。
どうしてるかなぁと考えて、また溜め息を溢す。

生徒は春休みで暇でも、先生は結構忙しいみたい。環境が違うとこうもすれ違っちゃうのかと身に沁みて感じていると、スマフォがカタカタ鳴り出した。


「はい?」
『出るの早ぇな』
「斗真?何?」
『お前、暇してるだろ』
「ううん、課題してるよ。暇じゃない」
『嘘つけ。やる気ねぇ声のくせに』


図星で黙り込むと、電話の向こうでやっぱりなと笑う声がした。


「そういう斗真も暇してるんでしょ?」
『俺は課題やってるよ』
「え?絶対嘘だ」
『あのな……つか暇なら来ねぇか?』
「どこに?」


勢いよく立ち上がって、「行く!」と即答した。だって、もしかしたら会えるかもしれない。
クローゼットから制服を取り出しつつ、緩んでいく頬を抑えられなかった。



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ふふふ、楽しい。