【放談】J1:第29節 C大阪 1-1 F東京 (スカパー) | E.P & E.F.L

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 悔しさの残るドローという結果でしたが、クルピ監督がコメントしたように「妥当な結果」という範疇の試合でもあったように思います。

【J1:第29節 C大阪 vs F東京】レヴィークルピ監督(C大阪)記者会見コメント(J's Goal)



 ただ、F東京にペースを握られる時間帯もあったけれども、セレッソは、最後まで「勝ち」に拘った戦いをした。
ホームの後押しもあって、最後の方は消耗戦になりながらも、よりゴールへの執念を見せ続けて、攻める姿勢を全面に出し続けたのはセレッソ。

 終わり方からしても、勝ち切りたかったし、勝てた試合だったとの印象は残りました。
 もう少し時間があれば、仕留められたのはでは?とも思えた内容。

 しかしながら、ドローながらも着実に勝点1を積み上げて、順位も一つ上げて、11位に浮上できたことを考えれば、評価出来る結果を得られたとも言えると思います。



 試合は、静かな入りで、お互いを探りながらの展開でも、前半30分前くらいまでは、どちらかというとF東京の繋ぎが目立った展開。

 セレッソは、ケンペスが抜けたFWに入った杉本健勇が起点を作ろうと試み、また裏のスペースを狙う積極的な姿勢を見せてはいたののの、オフサイドの山を築き、起点にもなりきず、2列目が前を向むけるとチャンスは作ったものの、単発でペースは握ることはできませんでした。

 前半30分からは、ほぼ互角の展開に。
 お互い中盤から繋ぐサッカーを志向していて、ボールを奪ってから早い攻めを見せるF東京に対して、中盤で細かな繋ぎからアクセントをつけて守備ブロックの穴を狙うセレッソ。

 お互いの良さが出てきた中でも、前半が終わりに近づくにつれて、ペースを握ったのはF東京。
 攻守の切り替えが早く、ダイレクトを活かして素早く展開して攻めてくる相手に、後手に回ったセレッソ。
 決定機をいくつか作られるも、耐えて0-0で前半を終える。


 後半。
 ペースを握ったのは逆にセレッソ。
 後半開始から、F東京の攻守の切り替えに対して受けに回らず、前から積極的にチェースをかけることで、ボールの出しどころに圧力をかける。
 前半からも、前からのプレスにF東京はミスをして、セレッソが決定機に繋げる場面もあり、F東京の攻勢を止めて、セレッソがボールを支配しだす。

 お互い攻守の切り替えの早い、ゴール前の場面の増える「殴り合い」のような展開になり出したところで、均衡を破ったのはセレッソ。

 勢いを増した後半5分、右サイドから左へのサイドチェンジから丸橋が中央にスライド。
 スペース空いたところに、効き足と逆の右足で一閃。
 ニアをブチ破る豪快なゴールでセレッソが先制する。

 これで、完全に勢いを失ったF東京、更に攻勢に出るセレッソ。

 直後のプレーでポストの杉本健勇からのリターンを貰った柿谷曜一朗がフリーで裏に抜けてGKと1対1になるも僅かにゴールマウスを外す。
 攻めるセレッソは、FKからヘベルチの際どいシュートなど、ゴール前に迫る場面を多く作る。

 セレッソは、1点を守ることをせず、更に攻勢に出て追加点を奪いにいき、畳み掛ける攻撃的な姿勢を崩さない。

 しかし、攻撃的に人数をかけて攻めるサッカーに、リスクはつきもの。

 後半29分、F東京に一瞬の隙をつかれて、サイドに展開され、クロスにヴチチェヴィッチが合わせて、同点に追いつかれる。

 ペースは完全に握っていただけに、悔やまれる失点。

 ただ、時間はまだ15分+ATが残されていた。
 時間は十分にあった。

 しかし、セレッソは、同点に追いつかれたこと、運動量が落ちてきたことで、勝ち越したい攻撃陣と失点を避けたい守備陣で、ボールの奪いどころで意思疎通を欠きだし、中盤にスペースを与えてしまう。

 F東京も盛り返して、攻め合いの様相に。

 セレッソは、オープンな展開になりつつも、「勝ち」にいく姿勢を崩さずに攻める。

 クルピ監督は、後半30分を過ぎて、交代の準備を進めるも、足を吊ったり、フィジカルでの競り合いからピッチに倒れ込んでしまう選手が出た為に、状況確認を経ての判断が必要になり、交代カードがっ微妙に遅れる。

 FKを得て、交代かと思われた雰囲気の中で、セレッソは、素早いリスタートからヘベルチが意表をついたミドルをお見舞いするも、バーに弾かれゴールに嫌われる。

 そして、後半40分、一気に3枚替え。

 枝村→ 吉野
 ヘベルチ→ 扇原
 丸橋→ 高橋大輔  とカードを切る。

 一気にフレッシュな選手を入れて攻撃を活性化。

 押せ押せの展開でゴール前に更に迫るも、最後まで追加点を奪えず。

 結局、ドローで試合を終える。



 後半の試合内容からすれば、セレッソが握っていたし、失点もセレッソが試合を決める追加点を奪いにいっていた時間の中で、一瞬の隙を突かれたものであり、『勝てた』という思いは残ります。

 また、交代枠も、もう少し早く切りたかった印象。
 少なくとも、リズムを変えられる「吉野」は、もっと早くに入れれば、もっとF東京の守備は混乱したように思います。


 ただ、後半に先制して、セレッソの持ち味を消して、守りきるようなサッカーをした訳ではなく、あくまで追加点を奪いにいくサッカーで攻撃的姿勢を失わない「セレッソらしいサッカー」を90分できたこと、また、上位を目指すからこそ、勝点3を積極的に手繰り寄せようとした姿勢はすごく評価できます。

 残留争いを考えても、勝点1を積み上げたのは、最低限の結果を得ているし、悪くはない。

 試合巧者ではなく、持ち前の「どつきあいサッカー」を展開したからこその失点。
 ただ、先制点を獲ったことで、2-0や3-0での展開も大いにあり得ただけに、ここは紙一重。

 こういう試合で、追加点を奪いにいってのドローもまた、セレッソらしさであり、クルピサッカーでもある。


 ドローの結果を得て、また残留に近づき、順位を11位に上げられた訳で、内容もセレッソらしさが存分に出たこと、 杉本健勇がセレッソで初先発であり、初めて90分闘ったということを考えても、最悪ではない。


 勝点39。
 残り5試合。

 まだまだ上を目指せる。