【放談】J1:第24節 新潟 0-1 C大阪 (スカパー) | E.P & E.F.L

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 降格圏16位の新潟との対戦。

 この試合に敗れれば、勝点で新潟がセレッソを上回り、他会場の結果次第では、再びセレッソが降格圏に突入する可能性がありました。

 勝てば、降格圏内のチームを引き離すチャンスであり、負ければ泥沼の降格争いにドップリ。

 そんな、生き残りをかけたサバイバルマッチ。

 また、セレッソは、今週になって監督交代に踏み切り、残り11試合をクルピ監督に託したことから、流れを変える意味でも、どうしても結果が欲しかった試合。


 そんな重要な試合で、勝点3。
 アウェーで、しかも、膠着した試合展開の中で、勝ち切ったことは非常に価値のある結果だと思います。


 クルピ監督が日本に再来日したのは、今週の半ば。
 監督が練習を見れたのは、2~3日程度であり、この残留争いに身を置く中で、どういう形でチームの舵取りをするのかと興味がありました。

 そして、今日の試合でスタメンに名を連ねたのは、前節、ソアレス監督下での、ホーム・横浜M戦の2-0完封勝利を飾ったメンバーから、故障で途中交代した茂庭→山下のところが替わっただけ。

 戦術的な問題や、選手の見極めによる選手の入れ替えはありませんでした。


 正直、クルピ監督は賢明な判断をしたと思います。

 いくら、昨年までチームを見ていたとはいえ、8か月間チームを離れて、別の監督下でチーム作りが行われており、復帰から2~3日しか練習を見れていません。
 また、前節は、15試合負けの無かった横浜Mに快勝しての流れであり、大きく変えることよりも、これまでのベースを元にして、徐々にクルピ色をつけていくアプローチを考えているんだと思います。


 チームを見て間もないことから、選手の見極めも十分にできてないでしょうし、クルピ監督の色をつけるにも、2~3日ではほんのわずかな確認程度しかできなかったでしょうから。
 また、試合前日は調整に充てるため、実質は1~2日であり、この新潟戦に向けては、選手のコンディションを見極める程度しかできなかったでしょうからね。



 試合は、サバイバルマッチだけあって、お互いが先制されたくないリスク管理の中で試合が進んでいきましたが、全体的には、「ポゼッションから崩しにかかるセレッソ」と、「カウンターから勝機を狙う新潟」という構図でしたね。

 ただ、攻撃に関しては、お互いが決め手を欠いていた印象。


 セレッソは、ボランチにボールが入ってもそこからの攻撃の形がなかなか決定的なものに繋がっていきませんでした。
 丸橋を絡めて、ブランチから左サイドに展開して、左からの崩しでいい形が何度かありましたが、決定機には至らず。

 また、クルピ監督の指示なのか、中央からのダイレクトでの崩しが随所に出るようになりました。
 敢えて、中央の狭い厳しい局面でも、そこを1回でも破れれば、超決定機が生まれ、得点の可能性が一気に高まるというクルピ監督らしい攻撃の形の片鱗が見えました。

 ただ、精度がまだまだ。
 中央での選手間の距離が近すぎたり、出し手と受け手でイメージや感じていることが異なっていたり、時間をかけてしまうことで命取りとなるスペースで連携が合わないとなると、ボールロストが生まれるのは必然。



 一方、新潟の攻撃は、カウンターから糸口を掴もうとしていましたが、セレッソは新潟のブラジル人トリオに対して、しっかり応対して、相手のスピードを落とさせるところ、ボールを奪うところの判断が適格で、不用意に飛び込むことをしなかったので、セレッソの守備は安定していたように思います。
 怖かったのは、ミスからの失点と、左SBの丸橋の裏のスペースと丸橋自身の守備能力の部分。 特に、一人のCBがサイドに釣り出された時の中央での丸橋の守備は狙われるところになると思っていたので。
 右の高橋大輔が1対1の守備に強く、身体能力も高いだけに・・・。


 ただ、お互いが最後のアタッキングサードでの精度がいまいちな中で試合が進みましたが、それでも、明確に「攻める意思」を見せ続けたのはセレッソだったかなと思います。

 また、ボールに対する執着や気持ちの部分でも、よりセレッソの方から伝わってくる内容でした。

 曜一朗を筆頭に、誰もが献身的にボールを追いかけ、ボールロストしても、攻守の切り替え早く、ボールに食らいついていく姿勢を見せていました。


 そして、残り10分を切った、後半36分に、待望の先制点が生まれました。

 ジンヒョンからのロングフィードに、健勇が競り勝って、流したところに、曜一朗がDFと重なりながらボールを奪って、右足一閃。


 これが決勝点となって、逃げ切る形での勝利。

 サッカーにおいて、完全に相手を崩してゴールを奪える場面は非常に稀で、最後はセットプレーや相手のミスを突くといったしたたかな部分が求められたりもしますが、今日のセレッソは、そういうしたたかさとか、勝負強さを感じさせてくれました。

 スコアレスの膠着状態の中でも、なんだか点が入るような気配はしました。
 それは、ソアレス監督の時には感じなかったような感覚で・・・。
 選手からは、得点の期待感を抱かせてくれるような、気持ちの入った、集中した、プレーを見せてくれていたからなのかもしれません。
 


 内容面では、まだまだ改善の余地がある試合だったけれども、監督交代から2~3日の中で、内容を求めるのは酷というもの。

 選手全員がハードワークして、チームのためにできること全面に出して、相手を上回る気迫でボールを追いかけての勝利。
 今、チームとしてやれることを精一杯やって、結果として勝点3が得られたことは、非常に価値があると思います。


 次節は、代表戦がある為、2週間後。

 勝利という結果を得て迎える2週間と、それ以外の結果で迎える2週間とでは、メンタルにおける余裕面でかなり大きな違いがあるように思います。

 クルピ監督の中でも、降格圏と勝点差を5まで広げられたことで、ガチガチのリスクマネージメントではなく、より選手の良さを引き出すサッカーに向かっていきやすい環境になったように思います。


 残り10試合。
 1試合1試合が勝負になるのは変わりませんが、新生クルピ・セレッソの初陣で、勝点3という結果は、上々といえるのではないでしょうか。