J1:第8節 C大阪 3-2 磐田 (スカパー) | E.P & E.F.L

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 課題を残しつつも、攻守に工夫や修正が見られての勝点3。
 
 快勝ムードから、辛勝になるあたりは、まだまだ発展途上のチームであることを露呈したものの、言い方を変えれば、まだまだ伸びしろがあるということか。



 昨シーズン、なかなか勝てなかったホーム・キンチョウスタジアムでの勝利。

 ちなみに、昨シーズンのリーグ戦、キンチョウ・スタジアムの戦績は、2勝3分6敗。
 しかも、初勝利は、第27節 9/23 山形戦まで待たなければならなかった。
 (※私は全くホームの試合にはいけなかったのだけれども・・・笑)


 チームは連敗中であり、開幕ダッシュがまずまずだっただけに、ここで勝点が積み重ねられないようだと、ズルズルと下位争いに沈んでしまう恐れもあった。
 また、ゴールデンウィーク連戦の初戦ということも考えれば、勝利が欲しかった訳で、とりあえず、結果を得たことは素直に喜びたい。



 冒頭に書いたこの試合での「攻守の工夫」について感じたことを。


 まずは、攻撃に関して。



 繋ぎ一辺倒ではなく、常に誰かが裏のスペースを狙う攻撃をしていたこと。

 繋ぐこと、ケンペスに当てることだけに拘らず、2列目やSBがサイドのスペースを飛び出して裏を狙う攻撃が効いていた。
 前半に見せた、丸橋のオーバーラップからのクロスに中央でケンペスがシュートしたシーンなんかは非常にシンプルな攻撃ではあったけれども、相手に脅威を与えた。

 縦への攻撃で、一本調子でない、緩急のついた攻撃ができていたし、左右をワイドに使った攻撃で相手の守備の的を絞らせなかった。
 プレスからボールを奪って、ボランチからの縦への球出しが攻撃のスイッチになっていたように思う。
 特に、山口蛍のボールを奪う能力とフィード力の成長は目を見張るものがある。
 蛍のレーザービーム的な高速パスは、ワイドに、縦にと展開を変えるのに絶大な効果を発揮していた。

 パスサッカーを志向するチームがワイドに展開して攻撃するのはセオリー。
 中央突破だけに拘ることなく、長短交えたパスで緩急をつけたワイドな攻撃でゆさぶりをかけていたのは非常に良かったと思う。

 そういう攻撃が単発ではなく、続けられれば得点にもなる。

 1点目は、右サイドから ボギョン→ブランキーニョ→清武と繋いで、清武が泥臭く押し込んでのゴール。

 2点目は、右サイド扇原からのリターンからボギョンが密集を仕掛けて、こぼれたところに、扇原が豪快なミドルでゴール。

 3点目は、左サイドから中央で清武が受けて、右サイドを駆け抜けたボギョンへ。ボギョンが得意とするエリアでの1対1から絶妙の間合いとフェイントでシュートコースを作ってのスーパーゴール。

 これ以外にも、決定機を沢山作った。
 欲をいうなら、決定機の精度と、この試合何度もあったサイドからのアーリークロスやクロスからの得点か。

 この日は、ブランキーニョが高めの位置で2トップ気味?にもなっている時間帯もあったが、クロスから飛び込みに対して、ケンペスもブランキーニョも動き出しが遅かったり、誰もニアに飛び込んでなかったりと、クロスで形を作っているだけに、中での飛び込み方を詰める余地があると感じた次第。

 攻撃面で個人に眼を向ければ、気になるのがケンペス。

 この日も何度か決定機を迎えたものの決めきれなかった。
 
 悔しがるシーンが何度もTVに流れたが、得意な形に持っていけているにも関わらず、少しの精度の問題でギリギリ枠を外れたり、ポストに弾かれたり。

 日本人DF陣の俊敏性に戸惑っているのか、少しでもボールコントロールを誤れば詰められてしまう怖さからか、ゴール前での余裕が感じられない。
 それが、あと少しの精度のところに絡んでいるのだと思う。
 シュートコースなんかを見ても、セオリー通りの全うなコース選択をしていることを感じるので、きっかけさえ掴めれば量産できそうな気はするけども、今はゴールが非常に小さく見えているような気がする。

 彼が、ゴールという結果で貢献してくれれば、もっと攻撃の幅が広がるし、相手にも更に脅威を与えられると思うのだが。



 次に、守備について。

 相手ボールになると、ブロックを4-4の2枚のブロックをしっかり敷いて、ケンペスとブランキーニョがセンターバックからの球出しにプレスをかけるというのを徹底していたように見えた。

 非常に守備意識が高いと感じた。


 だから、磐田が遅攻の際は、セレッソに完全にブロックを作られて、前からFWが追いかけてきた為に、なかなか形にはならなかった。
 磐田が作ったチャンスは、山田、松浦、ペクソンドン絡みの個人技がほとんどだった。

 前半から20分までは、磐田もそれなりに形は作れていたけれども、セレッソに先制点を許してからは、完全にブロックを作られて思うような打開ができなかった。

 後半35分あたりまでは、完全に試合をセレッソがコントロールしていた。
 それは、セレッソの守備意識が高く、また、攻守の切り替えが早い中で、磐田が完全に後手に回っていた展開だった。チーム全体にスピード感がなかった。



 しかし、後半42分、後半47分に、セレッソは連続で失点することになる。

 今年のセレッソは、CB2枚とボランチ2枚の中央のバイタルの部分を非常に強固にして、SBも中央との距離を保ちつつ、中では自由を与えない守り方をしている。

 そこをうまい具合に突かれてしまったのが連続失点だったように思う。

 1失点目は、左からのショートクロスを中央で藤本康太がサイドに跳ね返したところを、セカンドを狙ってましたとばかりに、山田にそのままボレーを食らう。

 これ、新潟戦の矢野キショーの形に似ているような。
 サイドに跳ね返したところを、詰め切れなくて同じようにゴールを許してしまっている。


 また、2点目は、左からのクロスに対して、CBとSBの間を狙って、磐田のCB・チョビョングクが飛び込んでダイビングヘッドで決めたもの。

 サイドでボールをキープして、CBをサイドに釣りだし気味にしていたところに、CBとSBの間を狙われて失点。

 この試合、中盤もSBも非常に運動量が多くハードワークをしていたセレッソ。
 後半の残り10分は、体力的にも厳しいところがあったとは思うが、まだまだ課題があるということだと思います。


 3-0で快勝するよりも、3-2で辛勝の方が、課題が出てよかったのかもしれません。
 得失点差は広げることはできませんが、何よりのプライオリティーは勝点3であり、シーズン通しての結果。

 一つ一つ練習で攻守において課題を潰しこんでいっているのを感じるので、今後、どういう形でチーム力が上がっていくのか楽しみにしたいと思います。