【その2】では、個々の選手について簡単に。
【その1】で、この試合は、ソアレス監督がやりたいサッカーの一つが実戦できた試合だったのではないかと思うって旨を書いたんですけれども、
そのサッカーというのが、
「前からの連動した激しいプレスから、ボールを奪い、素早く攻めて、ゴール前になだれ込んで、ゴールを奪う。」って形なのかなと。
攻撃面だけでいえば、これ、「ショートカウンター」ですよね。
ソアレス監督のやりたいサッカーの一つに、「ショートカウンター」は確実に描かれていると思うんですよね。
それを思うと、ソアレス監督が直々に獲得を要望した「ブランキーニョ」の起用が見えてくるんですっ。
ブランキーニョは、今シーズン公式戦で3得点しています。
リーグ戦1点、ナビ杯2点。
その得点を見てみると・・・、
■リーグ戦。
吹田とのダービーでの先制点。
中央のスペースに走りこんで、前を向いてボールを受けて、DFの逆をとってかわしての正確なシュート。
■ナビ杯。
磐田での先制点。
相手のクリアミスを突いて、GKをみて正確なシュート。
浦和での3点目
FKから中央の裏のスペースを駆け上がって、ボールを受け、GKとの1対1でGKを冷静にかわして、ゴールに流し込む。
どのゴールにも共通しているのが、
・トップスピードでの正確なプレー。
・冷静なシュート技術。
この2つ。
「ショートカウンター」からの得点を考えるなら、この2つの技術のある選手は魅力的だと思うんです。
ソアレス監督は今日のような前プレから「ショートカウンター」で得点を奪うサッカーをしたい。
だから、「ブランキーニョ」。
監督の意図が分かった気がしましたね。
ブランキーニョは、2つの突出した技術以外は、ある意味で凡庸だと思うんですよ。
逆に、攻撃面だけでいえば、2つの能力以外なら曜一朗の方が上だと思うんです。
曜一朗は、自分のスピードや間合い、止まったボールのコントロールさせたら一級品。
ブランキーニョより上だと思います。
曜一朗が、更に、攻撃面でソアレス監督の要求を高めていくなら、トップスピードでの正確なプレーが必要だと思いますね。
トップスピードでの、ボディーバランスも含めたフィジカルも。
あと、細かいところでいうと、後ろを向いて相手に圧力を加えられるとボールロストが多いですね。
前を向いたら何でもできるだけに、後ろ向きからいかにボールを失わずに前を向くことができるかを詰めて欲しいです。
文字の羅列だと分かりにくいので、簡単なイメージで。
ブランキーニョって、基本は「直線的」な選手であり、技巧的な「曲線的」な要素も併せ持つ選手だと思うんですね。
曜一朗は、完全に技巧的な「曲線的」な選手だと思うんです。
曜一朗が更に大きくなる為には、「直線的」な要素も必要だと思います。
で、2列目のプレーヤーで最後に残ったのが清武です。
清武は、「曲線的」且つ「直線的」な両方の要素をバランスよく併せ持った選手だと思います。
清武は、監督の要求に柔軟に対応できる能力がありますよね。
A代表のザック、五輪の関塚さん、セレッソのレヴィーであり、ソアレスさん、と。
これって、「曲線的」且つ「直線的」な両方の要素をバランスよく併せ持っているからこそだと思います。
監督としては、攻撃面では、どうにでも使える、非常に使い勝手のいい選手なんだと思うんです。
だから、清武は、どの監督にも重宝されるんだと思いますね。
とりあえず、手元に置いておきたい。
召集させておきたいと思われるんだと思います。
で、この日の清武ですが、キレがありましたねえ。
清武は、自分の間合いでのプレーは勿論のこと、トップスピードで正確なプレーができるし、ボディーバランスもよく、フィジカルでもここぞというときに負けない。
最近は、シュートのパンチ力も増しているし、シュートレンジが広がって、その分、攻撃面でのプレーの選択肢が増えていて、いい意味での余裕が生まれていたように感じました。
球際は、故障が怖いのか逃げ気味な部分があるけれども、それを差し引いても、やはり日本ではトップレベルの選手ですね。
この試合で改めて、「セレッソの背番号8」に値する選手だと思いました。
で、次は、1トップの人選についてです。あくまで、今の4-2-3-1でいくならの前提ですが。
個人的には、今日のプレーを見る限りでは、播戸でいいと思いますね。
いやっ、失礼、播戸がいいと思います。
ロングボールはケンペスも播戸も競り勝つことは少ないです。
ならそれ以外で裏を狙ったり、スペースで起点を作ったりして、2列目の上がりを誘発できる播戸を先発させた方が、チームが機能すると思います。
ケンペスの方が、シュートのパンチ力と高さがあって、FWの個の力で上かもしれませんが、チーム全体の力で見た時には、播戸を起用する方がチームの攻撃力は上がると思いますね。
できれば、リーグ戦でも播戸先発を期待したいです。
最後に守備面で目立った選手について。
藤本康太も茂庭も、原口に対して、距離の取りが非常にうまいという印象を受けました。
原口に、仕掛けられない、誘われても飛び込まない距離を上手くとっていました。
原口は苦戦してましたよね。
逆にいえば、藤本康太も茂庭もなぜ守りきれたかというと、原口が「直線的」な要素しか持っていない選手だからだと思います。
「直線的」な選手の距離間で対峙できたからだと思います。
これが、清武のような、「曲線的」且つ「直線的」な選手だと、どちらの間合いで対応すればいいのか守備側としては迷うので、更に守り方が難しくなると思います。
ちなみに、世界には「直線的」な選手だけれども、止められない選手はいますけれども。
カニージャ。
アスプリージャ。
古くてすいません。(笑)
こんなオチで、今回は、終わりでございます。
ありがとうございました。