中啓(ちゅうけい)って、読みます。
お坊さんが正装の時に持っている扇みたいなものです。
普段の着物の時は朱扇。
更に正装の時は、桧扇を持ちます。
あれ、広げる事できないんです。
中啓が邪魔になるときは、首の後ろにさしてるお坊さんもみます。
何故、そんな邪魔なものを持っているかというと
中啓や朱扇、桧扇は、座る時に鳴らし結界を張ったり、この世とあの世の境の意味を持たせる事もあります。
朱扇は、普通の扇子なので扇ぐ事ができます。
でも、扇ぐともちろん怒られます。
三井寺では、右手に持ち腰の所にあて、左手は印を結んでいます。
父から
『朱扇は、刀の代わり。心に魔を入れないために持ち左手で印を結ぶんだ』と聞いた事があります。
本堂で読経する時、導師以外は板の間や畳の上に座ります。
その時に尊い経本を直に置くと怒られます。
必ず中啓や朱扇の上に置きます。
朱扇や中啓、桧扇にもただのカッコつけの小道具ではなくて、意味があるんです。