歌舞伎座の『八月納涼歌舞伎』が終わりホッとした解放感と
緊張から抜け出した虚無感とでここ3日間は不思議な感覚に陥っております(笑)

昨日は少し赤羽まで外出しましたが暑すぎてすぐに帰宅(笑)
今日は1日中降り続いた雨で外出を控えました。


歌舞伎座に行くと云う作業がないとどうも外に出るのが億劫になりますね。
やはり歌舞伎座通勤はある程度運動になり必要なのかもしれません(笑)


ですが夕方からの出勤はリアルタイムでテレビのドラマや番組が見られず
先月はどうも録画が溜まりすぎました(笑)

その中でもやはり録画してでも見たくなるのが「鎌倉殿の13人」
毎週毎週ショッキングな場面が続きますね。

今回はとうとう源頼家が北条一族によって暗殺されてしまいました。


この物語はやはり歌舞伎でも有名な岡本綺堂さんの「修禅寺物語」と重なってしまいます。

「鎌倉殿の13人」ではもちろん夜叉王や桂は登場しませんが、
どこかにいるのではないかと想像してしまいました(笑)

頼家は猿楽を楽しんでおりましたし、あの面は夜叉王が打ったのかな?
・・・なんて。

私も「修禅寺物語」では暗殺する方の金窪兵衛行親と頼家を守る下田五郎景安
双方のお役を勤めさせて頂きました。

下田五郎は近習で17歳の設定、私が勤めた時は還暦越えでしたから
おそらくこのお役の最年長記録でしたでしょう(笑)

懐かしいお役です。

そして「鎌倉殿の13人」では暗殺者は例によって物語の中で幾人も殺してきた善児。
しかしまさか一幡への愛情が出て暗殺を仕損じるとは・・・。

録画してまだ見ていない方はご注意くださいね。

 



さらに弟子であったトウ(山本千尋さん)に親の敵としてとどめを刺されるとは・・・。
三谷幸喜さんの強烈な脚本の展開ですね。

今まで歴史的な人を非情な表情で仕留めて来た善児でしたが身から出たさび、因果応報、
最後は自分自身が殺られてしまいました。

でも善児を勤められた梶原善さん すごく好演でした。

もちろん架空の人物ですが暗殺者に善児と付けられ お名前が善さんならきっとこれは
梶原さんに初めから当て書きされたお役だと拝察いたします。

無表情を通してきた善児がここ2週ほど表情が出るようになっているなと思ったら、

これは悲しい最期のフラグだったと云う事でしょうか。

人の心を持ったのか取り戻したのか、その途端に・・・

トウの使い方も想像をしませんでしたので、驚きました。

トウを助けた時点で、善児の最期のフラグだったのでしょうか・・・

 

愛ちゃんが演じていたお兄さん宗時を殺したのが善児だと云う事は、

視聴者は最初から知ってましたが、義時が知るのは今回の事でした。

もっと先に知るのかと思っておりましたが、ここまでかかるとは意外でした。

 

ですが、なぜあの宗時の巾着を持っていたのか。

ミステリーなどではこういった非情な暗殺者は、シリアルキラーだったりしますが、

なんとなく、今となっては善児は巾着を大切に持っていたのではないかと。

供養のために。

 

なんだかそんな気が致します。

 

以前は、オープニングタイトルに「善児」と出て来るだけで震撼しましたし、

とても人の心を持った人物とは思わなかったのですが、随分と印象が変わるものです。

それもこれも、梶原善さんの好演がなすものですね。


それにしても毎週毎週誰かが死んでいくドラマも歴史から見れば事実、
この後の悲劇もだいたい想像できますが、わかっていても面白い脚本を書かれる
三谷幸喜さんに改めて敬意を表します。
 

まだまだ楽しみな、鎌倉殿です。