今日9月7日、歌舞伎座第2部の演目『近江源氏先陣館 盛綱陣屋』と『女伊達』が初日を迎えました。
隼人さんと歌昇さんがコロナ陽性のために一部代役で上演されたそうです。

お二人にはお気の毒ですが、早いご回復をお祈り致します。

 

 

この『近江源氏先陣館 盛綱陣屋』の主人公 佐々木盛綱が実は真田信繁(幸村)の兄 真田信幸

モデルにおき換えて書いてあることは以前のブログでご紹介いたしました。

 

江戸時代の徳川幕府では大坂方(豊臣方)の武将を主人公には物語が書けなかったのです。

 

現在、なるべく人数を少なくしてお芝居を上演しておりますので、
今月の『盛綱陣屋』に登場しているかどうかわかりませんが、
北条時政(徳川家康)の後ろに兜を被った武者で兜台と云うお役がございます。

 

これは時政のいざと云う時、例えば敵が本陣まで攻めて来た時、すぐにかぶれるように

常に近くにいるいわば移動兜台であります。今風に言いますと、動く帽子掛け?ですね。

似た存在に、太刀持ちがいます。


また同時に、もし時政が鉄砲で狙われた時のための影武者でもあります。

見た目は兜をかぶっておりますので、大将に擬せるわけです。

 

こんな、存在を知り、役目を知りますと、けっこうおもしろい、興味深いお役なのですが、

劇場や場合によっては登場しない時もございますのが少し残念です。

 

 

私、上方歌舞伎に初めて所属させて頂く事になった1975年6月大阪中座の
『盛綱陣屋』で兜台として出演させて頂きました。

 

私23歳(笑)

 

佐々木盛綱は実川延若さん 北条時政は嵐璃珏さんでした。

入門したてでしたが時政の影武者なので立派な丸鎧を着せてもらい 
花道の登場から時政のすぐ後ろに控え 四天王の前に堂々と座っているので
気持ちがよかった事は覚えております(笑)

もちろん台詞はありません(笑)

 

義経や頼光、義家などの四天王が登場する演目は多くありますが、
この兜台が登場するのはこの『近江源氏先陣館』くらいでしょうか?


もし今月ご覧になられましたら 兜台登場して居たかどうか?
教えて下さいませ(笑)