明日、21日(日) PM4時から 衛星劇場でシネマ歌舞伎
『野田版 桜の森の満開の下』が放映されます。

 

(例によってご覧になれない方々 ごめんなさい。)

 


これは2017年8月 歌舞伎座で上演された演目で、
私のお役はなんと 稗田阿礼を模したであろう「ヒエダノアレイ」。


天武天皇に舎人として仕えており 抜群の記憶力の良さを見込まれて
『帝紀』『旧辞』等の誦習を命ぜられて 『古事記』の編纂に寄与したとされる人物。

生没年などの生涯は一切不明ながらも 歴史上の偉大な人物なのですが、

この『桜の森の満開の下』では、あまりそう云ったところは出て参りません(笑)


そして2時間にわたる上演時間の内 忘れた頃に少しだけ登場致します(笑)

 

坂口安吾さんの短編小説を野田秀樹さんが戯曲化され 何回かお芝居として
舞台にかかっておりますが、それを野田版の歌舞伎バージョンとして
書き換えられたものです。


オオアマ 後の天武天皇は幸四郎さん 主役の耳男は勘九郎さん
夜長姫を七之助さん


まあ 独特の雰囲気を醸し出す七之助さんの演技に注目ですね(笑)

 

 

ここでちょっと余談なのですが 裏話を・・・。


実はこのお芝居のお稽古、7月の初めから始まっておりました。

勘九郎さんや七之助さんたちは、この7月はお稽古の為に
舞台には出ておられません

 

しかし私は7月は歌舞伎座 海老蔵さんの公演で昼の部
『盲長屋梅加賀鳶』の大詰め長屋の大家、喜兵衛と
夜の部『駄右衛門花御所異聞』に田舎大尽、志賀内で出演しておりました。

 

その昼夜の間で墨田区のお稽古場まで 毎日ではありませんが
通っておりました。

 

私だけではありません 『桜の森・・・』に出演の人は数人 それぞれの出番の間に

通っていたのです。

 

なにしろこの時の夏は暑かった~(笑)

 

お稽古場は最寄りの駅から歩いて15分ほどかかるのですが、
何も遮る物のない炎天下の中を 何回か往復致しました。

お稽古場に居られるのはおよそ2時間ほど・・・。

 

さすがに、歌舞伎座の出番と出番の間に お稽古に通いますのはくたびれました。

 

そして夜の部のない1回公演の時にもお稽古予定が入っており
「これは、夜の部に出ている時間よりも帰る時間は遅くなりそうだな~。」
と 覚悟していた時、

「歌舞伎座出演者はお稽古場に来なくて結構です。」
と 会社より連絡が入りました。

 

私は? と思いましたが 後から伺いますと、海老蔵さんが

「出演者の皆さんは朝から晩まで 歌舞伎座で舞台に携わっているから
その体を休めるために、1回公演を設けているのに、
その日をお稽古に費やしたら 休演日にならないじゃない。」

と 会社に意見を具申して下さったのです。

 

本当にあの時は「やれ助かった~」と海老蔵さんに感謝しましたね(笑)

 

 

今はお休みばっかりで、喉元を過ぎて忘れておりますが、確かにあの時は
暑い夏のしんどいお稽古に通っておりました(笑)


そんな事を思い出させてくれた明日の『野田版 桜の森の満開の下』でした(笑)

 

 

明日は、自分の姿を 怖いもの見たさで、放映を見たいと思います。

まさに喉元過ぎれば・・・ですが、この時の台詞と云うのが、数個しかなかったのですが、

なんとも不思議な内容で、覚えるのも大変だったのです。

 

さらに 何とも恐ろしいお人

 

 

がおられまして・・・舞台上に(笑)

 

その時の事は 当時のブログにいくつかありますので、放映前後にご覧頂ければ

またお楽しみ頂けるかもしれません。

 

とにかく、あの時の七之助さんは・・・美しく・・・怖かった!(笑)