筆者は、飲食店の方に良くしていただくことが多い。
比較的小ぶりなお店を好むことが所以かもしれない。
訪問2回目で店長から名刺を頂戴し、
3回目以降は頼んでもいないお料理を提供いただいたり、出口まで見送っていただいたりする。
筆者自身、楽しく過ごせる上、お連れした友人や同僚もご贔屓くださる。
サービスする側、される側、双方に利益をもたらす良い関係だと思っていた。
しかし、ふと気になった。
おそらく、全員が全員、そういった関係を築くわけではない。
筆者の振る舞いが悪い印象を与えているのではないか。
“馴れ馴れしい”
“軽そう”
“金づるになりそう”
そこに思い至ったのは、そんなお店の一つで、ある女性を見かけたときだった。
カウンターに一人、アラフィフと思しき女性。
バブルの名残か、ボディコンシャスなワンピースに身を包んでいる。
ワインのボトルを頼んでいるが、同伴者が居る様子はない。
「いいのよ。さぁ、あなたたちも飲みなさい。」
従業員の若い男性たちにワインを振舞っていたのだ。
半ばホストクラブと勘違いしているのかもしれない。
ふと、心配になった。
筆者はあの素質を見込まれて、お店の方に良くしていただいているのではないか。
あれは、筆者の行く末か。
なんだか背筋が寒くなる。
嫌だ。
あんな風にはなりたくない。
結婚しないとあんな風になってしまうのかもしれない。
怖い。
ともあれ、今夜はそんなお店で女子会である。
“あられちゃんの行きつけ”と、他の方が予約してくださった。
年始に激震を走らせた、新婚の同僚を囲む会。
7歳下男性と結婚に至った奥義を伝授いただくのだ。
店員にワインを振舞うアラフィフにならないために。