結婚相談所 ―入門編 その1―のラストで、問答無用で切り込んだ筆者。
しかし、営業おばさまに煙に巻かれる。
営業「そんなことありませんよぉ。たくさんいらっしゃいますよ!よりあられさんに合った“良い方”を見つけるために、ご提案しただけです」
「さぁさぁ、寒いからコートをお召しになって!」
この相談所の謳い文句は、早慶以上の高学歴会員が多数いることだった。
さらに、学士会との提携により、旧帝大会員も増加中という話。
しかし、おばシスターズの様子からは、この謳い文句を疑わざるを得ない。
帰路、どんどんと疑念が膨らんでいく。
確かに、筆者の婚活市場における価値は最下層にある。
そんな自分を棚に上げ、求めているのは価格の高騰著しい超売れ筋商品たち。
身の程知らずは重々承知している。
売れ筋商品たちが筆者を選ばないのであれば、納得の結果。
しかし、その商品が店頭にないとすれば、話は違う。
筆者の望む商品はこの店に存在するのか?
改めて、メールで問い合わせることにした。
筆者「帰りがけにおうかがいしたことについて、再度確認させてください。わたしが掲げている“30代、旧帝大・都内国立・早慶以上、身長170cm以上”に該当する男性会員は何名いらっしゃるのですか。」
筆者「この回答如何では、クーリングオフも検討いたします。」
引き返すなら今。
営業の言葉に嘘があったのであれば、契約解除すべきだ。
そう思っていた。
おば1「調べました結果、該当する方は約90名いらっしゃいます。」
おば1「ハード面の条件を入れて機械的にするマッチングで
人間性。
性格。
筆者に合った良い方。
いつから筆者の人間性や性格をご存知なのでしょう。
筆者の望むお相手像はどのように知り得たのでしょう。
面談はプロセスの説明と条件の確認のみ。
どんな人が好き?などと聞かれたこともない。
矛盾している。
知りもしない筆者の性格を妄想し、“良い方”=44歳、身長160cm、薄毛の早稲田卒年収600万、喫煙サラリーマン など勝手に選ばれては、目も当てられない。
筆者「『条件ではなく、人間性や性格も含めて―』とありますが、
筆者「おそらくご存じないと思いますので、わたしにとっての“良い方”の条件を以下に整理します。」
条件を加えた結果、該当者は10数名になったそうだ。
本来まっさきに確認すべき、喫煙など最低限の条件を加えて。
おそらく、こんな風に食ってかかる客は珍しいだろう。
みな、藁をもつかむ気持ちで結婚相談所に駆け込む。
入門し、師の教えを乞う。
信じる者は救われる。
師とて、信じる弟子が可愛い。
疑う者に教えなど授けない。
破門。
やってしまった。
おばシスターズを敵に回した筆者はもう、おしまいだ。
そうして、前途多難を想像させる筆者の旅が始まった。
10数名が尽きたらその時点で考えよう。