「風をつかまえた少年」14歳だったぼくは、たったひとりで、風力発電をつくった」
ウィリアム・カムクワンバ、ブライアン・ミーラー共著
アフリカの最貧国といわれる、マラウイに生まれた少年ー
ウィリアム・カムクワンバーの実話です。
マラウイは、タンザニア、ザンビア、モザンビークに囲まれた国で、
とうもろこしなどの作物を作って人々は暮らしています。
電気もない家庭がほとんどで、水をくみ上げるモーターもないので、
遠くまで水を汲みにいかなければなりません。
2001年に洪水、その後に旱魃、飢饉が襲いました。
ウィリアムの家族も、バタバタ死人が出る中で、どうにか1日1食わずかな食べ物を
口にいれるだけで、毎日をしのいでいました。
少年は、中学校の授業料が払えず学校に通えなくなりました。
勉強がしたい。本が読みたい。少年は、仕事の手伝いの合間を見て、
NPOが作った小さな図書館で本を読んですごしました。
その中で出会った一冊の本が、少年の人生を変えることになったのです。
風力発電・・・・・
電気があれば、夜でも仕事ができます。
電気があれば、ポンプで水をくみ上げられます。
電気があれば、電話もできます。
電気が人々の生活を良くしてくれます。父さんや、母さんのくらしを・・・・
風車が電気を作ることを知った少年は、独学で英語で書かれた本を読み漁り、
廃品置き場から、捨てられた部品や銅線などを集めて風車を作り始めました。
壊れた自転車をくくりつけ、パイプを切り開いて羽根を作りました。
支柱にする木材も森から、自分で枝葉を切り落とし、かついできたものです。
だれもが、少年は気が狂ったのだと思いました。
いよいよ、風車をまわす日がやってきました。成功です!
風車につないだ豆電球の灯りがついたのです。
風車は村の名所になるほどでした。
風車が新聞報道され、さらにアメリカ人ブロガーの目にとまり、
TEDの特別会員に要請されたのです。
TDO=テクノロジー・エンターティメント・アンド・デザインの略称で、
年に一度、科学者や発明家、企業家が自分たちの計画を紹介しあう会議。
少年はアメリカの会議に招かれ、初めて飛行機にのり、初めてホテルに泊まり、
初めて、エレベーターに乗り、初めてインターネットを知りました。
そして、その会議でスピーチをしたのです。
少年ウィリアムに教育を受けさせてあげたいと、多くの人が募金に参加し、
少年は、中学に復帰し、やがてアフリカン・リーダーシップ・アカデミーを卒業し、
アメリカの名門ダートマス大学に入学。
また、アフリカの母校の改修・拡張工事のための募金活動なども行っています。
この本は教育がいかに大事かを物語るとともに、
彼は言っています。
「トライして、そしてやり遂げました」
本人がインタビューに答えている映像です。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=arD374MFk4w #!